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「Aちゃん泣かすとか最低やな」
【だ、だってAは……!!】
「ロボロ、お前は彼女が浮気する子やと思ってるんか?」
【それ、は…】
「やったら落ち着いて話を最期まで聞いたれ。お前、勘違いしすぎや」
ゾムさんは私にスマホを向けた。
私は震える手で受け取ろうとしたけど、何故かゾムさんは渡さずにまたロボロと会話し始めた。
「Aちゃん、ロボロと会話したくないんやって」
『え…!?』
【はぁ…?】
ゾムさんは私にウィンクをして、楽しそうに話す。
「てことで俺が代わりに教えたるわ」
【……おん】
ゾムさんは私が話した事を全て話した。
時々、私に「合ってるよな?」と聞いてくるので頷いた。
話を聞き終わったロボロは焦っているような気がした。
【ゾム、頼むからAと話さしてくれ】
「だって本人が嫌がってるし」
【やったら今どこにおるか教えてや。すぐに行くから】
「……教えてええ?Aちゃん」
『…お願いします』
「俺ん家におる。はよ来な奪うで」
そう言って、ゾムさんは電話を切った。
ぽかんとしてると、ゾムさんは私にスマホを返して笑った。
「奪うとか嘘やから安心しぃ」
『は、はぁ』
何が冗談か分かりにくい……。
そう思いながらぬるくなったココアを飲んでいると、インターホンが鳴った。
「お、流石やな」
『もう来たんですか…!?』
「案外近くにおったんちゃう?」
いやいや、それにしても早すぎるでしょ。
私は玄関へ向かうゾムさんを見つめ、ドキドキしながらロボロが来るのを待った。
玄関の扉が開いたのだろう、とてもうるさい。
「Aはどこや!!!」
「うっさい、Aちゃんはリビング」
ドタドタと廊下を走る音が聞こえたかと思うと、バンッと扉が開いた。
「っ、A!!!!!」
ロボロは私の名を呼び、抱きしめてきた。
想像出来ないほど力強く抱きしめてくるため、私は何も出来ない。
「A、A…!!」
『ろぼ、ろ…』
「俺が悪かった、やから捨てんとって……!」
『分かった、から…』
そう言うと、ロボロは抱きしめるのをやめて私の目を見てくる。
…少し目が潤んでる、泣いた後なんだろうか。
「ごめんなぁ、全部俺が悪いんよ」
『ロボロは悪くないよ』
「いや、ロボロが悪い。後で大先生に言うからな」
「…A、別れるとか言わんとってな?」
『……言うわけないよ』
私が微笑むと、ロボロは嬉しかったのかもう一度抱きついてきた。
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こんにゃく - お疲れ様でした。とてもなめらかで綺麗な文章を書かれていて、読んでいてとても幸せでした。本当にありがとうございました。 (2019年5月17日 20時) (レス) id: 0fb3eb8127 (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - はるさん» 小説を読んでくださりありがとうございました。好きと言ってもらえてとても嬉しいです。これからも無理をしない程度に頑張ろうと思っています。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - キヅキさん» 小説をいくつか読んでくださりありがとうございました。他の場所で巡り会える確率は低いと思いますが、キヅキ様のような優しい方に読んでもらえるように頑張ります。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - 葉月さん» 最後まで見てくださり、ありがとうございました。リクエストをくださった時は本当に嬉しかったです。Twitterのフォロー申請は鍵垢なら全て通しているので、お気軽に申請してくださっても構いません。本当に、今までありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
はる - お疲れさまでした。小説、面白かったです!大好きです!これからも、頑張ってください。いつまでも、応援しています。本当にお疲れさまでした。 (2019年5月8日 3時) (レス) id: d3b8419922 (このIDを非表示/違反報告)
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