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あの人と出会った。
？「そんな顔をしてどうしたんだい？」
優しそうな男の人。
『あの…』
私は初対面の男の人に話しかけられるのは少し不安だった。
？「あ、すまないね…
突然知らない男に話しかけられたら困るよね？
じゃあ、」
そう言って男の人は私の前から去った。
家に帰り、乗り気にならないままピアノの練習をしていると、父が帰ってきた。
出迎えると、
『あっ！』
あのときの男の人がいたのだ。
？「君は…」
父「なんだ、知り合いか？」
？「いや、ゼロアリーナの近くで挨拶したぐらいだよ」
聞くと二人は高校時代の友人らしい。
その人は芸能プロダクションを経営しているそう。
名前は小鳥遊音晴さん。
二人はリビングでお酒を飲んでいる。
社「まさか君が桜木の娘さんだったとはね」
父「俺も二人が顔見知りなのに驚いたよ！
ほら、A挨拶しなさい」
『Aです』
社「君のことはお父さんからよく聞いているよ！
将来有望なピアニストになるってね！」
私はそこでモヤモヤした。
やはりそう思われている。
ピアニストというレールしかない。
父「あぁ！こいつはきっと日本を代表するピアニストになるはずさ！
な！A！」
私は言葉が詰まりそうになった。
『…はい』
父「A、練習に戻りなさい。
もうすぐコンクールだろ？」
『うん…
では、ごゆっくりしていってください』
私は小鳥遊さんに一礼して、部屋へと戻った。
重い指を動かすのはとても嫌だった。
だけど、私は家族の期待を裏切るわけにはいかなかった…
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家族構成
桜木A
桜木響 夢主様のお父様。日本を代表するピアニスト。
桜木尚子 夢主様のお母様。主婦。
桜木奏 夢主様の弟。ピアノをしているが、姉のほうが父から期待されているため、ストライキに入っている。中学三年。
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作者名：一葉桜雲 | 作成日時：2019年4月2日 22時
