チョコミントフラペチーノ エキストラホイップ

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不貞腐れてる私に向かって、北斗は仁王立ちで溜息をつく。

「じゃあ、Aは休めば？
俺が１人で掃除をしてくるから」

「だから、そういうことじゃないんだって！」

北斗は呆れ顔だし、私はますます不貞腐れるばかりで、なかなか険悪な雰囲気になってくる。

「北斗にも掃除をしてほしくないんだけど」

私にしては、だいぶ言葉を選んだ方だと思う。

いつもなら感情に任せて、思ったことをそのまま口にしてしまうんだけど。

最近、考えるんだ。

察しの悪い石頭の北斗を、少しずつ教育してやろうかって。

だって、いつまでも北斗のペースで進められるのは我慢ならないから。









「それって、心配してくれてんの？俺のこと」

北斗は何故か急に優しい表情になって、私の隣にしゃがみこんでくる。

私を下から見上げるようにして、可愛らしい笑顔を見せながら。

「大丈夫だよ、俺は全然疲れてないから」

…全然わかってないじゃん。

今日は掃除じゃなくて、私を喜ばせろって言ってんだよ？

何で勝手に北斗が喜んじゃってんの？

「たまには、北斗とゆっくり休日を過ごしたいんだけど」

これでさすがにわかるよね？

かなり言葉を選んだよ？

「うん、じゃあ、今日はゆっくりペースで掃除する？」

…だから、そうじゃなくて！

「たまには外でのんびりしたいな」

たまには私を、外でもてなせって言ってんだけど。

さすがにわかるよね？？？









北斗はしばらく考え込んでいたけど、

「わかった
俺も行きたいって思ってた場所があったから、今日は一緒に出掛ける？」

そう言って、やんわりと微笑みかけてきた。

ここで気を緩めてはいけない…。

私達の行きたい場所は、絶対に合致しないはずだから。

北斗の行きたがる場所は想像がつく。

ホームセンターで新たな掃除用具を買うか、古書店巡りか、昭和レトロな映画を見に行くか、まあそんなとこだろう。

ここはハッキリ言ってやらないと！

そう思ってたのに、

「そうと決まったら、早速出かける準備をしよう
着替えてくるから、Aも早く食べて着替えてきて」

早口でそう言うと、北斗は私の返事も聞かずに２階に行ってしまった。

…待って。

私の行きたい場所は、普通のデートコースなんだって！

理想を言えばディズニーランド、百歩譲って普通の映画が見れる映画館とか、ショッピングデートとか。

だけど、それは無理なんだろうな…。

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