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いつも北斗にされてるみたいに、指で手のひらで唇で北斗の体に触れるけど、

やっぱり私は未熟なのか、思ったような反応がない。

背中を向けてる北斗を強引に仰向けに倒して、そのまま馬乗りになってキスしてる途中で気付いた。

…なんだ。

我慢してるだけじゃん。

ちゃんと反応してるくせに。

その証拠に、唇を離してすぐ、

「今日はもう挿れていい?」

って聞くのは、やめて欲しい。









「結局、しちゃうんじゃん」

私がそう文句を言ってしまうくらい、北斗はあっさりと堕ちてしまった。

しかも、いつもより2割増しほど激しめに。

けっこう北斗は、こういう部分がある。

感情に流されてしまうような、そんなところ。

今まではそんな時は1人で殻に籠もってしまうんだろうけど、一緒に暮らし始めてからは、私には素直にそれを見せてくれる。

「今日はしたくないとか言ってなかった?」

「したくないとは言ってない
愛されたいって言っただけ」

本当に屁理屈ばっか。

だけど隣で余韻に浸りながら、ずっと私の頬や髪を指で撫でてくる北斗は、最高級に甘ったるい目をして私に告げた。

「今日はAにいっぱい愛されたから、幸せな気持ちで眠れそう」

…普段は絶対、こんなこと言うタイプじゃないのに。

一体どうしたわけ?

「Aはいつもこんな気持ちだった?
俺に愛されて」

「北斗はどんな気持ちだったの?今日」

「最高に幸せだった
例えていうなら、口いっぱいに頬張ったイクラの粒を一つ一つ割っていくような幸福感?みたいな」

…やっぱり北斗の例え話はわかりづらい。

てか、全く理解できないけど。

満足げな北斗の表情を見ていれば、何が言いたいかはよくわかるから。









「愛してる人に欲しがられるって、ものすごい絶頂感だよね」

北斗の口から出た「愛してる人」という単語に、私は内心、打ちのめされてしまった。

「好きな子」じゃなくて、「愛してる人」なんだって思ったら。

北斗のそれは重苦しい感情なはずなのに、私には全然重いとは感じなくて。

むしろ私の胸も、愛しさでいっぱいになる。

だけど素直じゃない私は、チクリと嫌味で返してしまう。

「そんなに北斗は私のことを愛してるんだ?」

なのに北斗は、いとも簡単にこう返してきた。

「愛してるよ、頭から残さず食べちゃいたいほど」

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ゆきの - 何十回もよんでる大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月22日 8時) (レス) id: 3207e964c9 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 一番大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: aaee343ea9 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - ほんとに大好きな作品です。多分もう10回以上読んでいます。更新待ってます。 (2021年5月16日 22時) (レス) id: 931e445941 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - 何度読んでも心が締め付けられます!とても大好きな作品です。 (2021年2月3日 10時) (レス) id: a1c54d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 大好きで何度も読み返すくらい好きなお話なので、更新してくださり嬉しいです!続きも楽しみにしています!北斗くんが女の子に嫉妬しているとこが見たいような気がします。 (2021年1月14日 3時) (レス) id: b839608c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめん x他1人 | 作成日時:2019年5月19日 3時

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