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あの後、北斗に説得されて、渋々同窓会に行くことを承諾した私だけど。
どうして北斗があんなに同窓会に行きたがっていた理由は、同窓会当日にわかることになった。
同窓会の会場は、近所の居酒屋さんを貸し切りで。
といっても、私達はまだ未成年なのでアルコールはなし。
大体さ…、私達そんなに同級生達と蜜に付き合ってこなかったじゃん。
絶対、面白くないに決まってる。
当日、同級生達はみんな私達を見て、口を揃えて同じことを言う。
「あなた達って、まだ一緒にいるんだね」
って、まだ卒業して１年も経ってないのに、懐かしそうに目を細めて。
そんな同級生達の反応に、何故か北斗は満足げにしていたけど、
誰かが遅れて店に入ってくるのを確認して、目で追い始めた。
「A、あの人のこと覚えてる？」
北斗はその遅れてきた人のことを、私に視線で知らせてくれる。
普通の大学生っぽい風貌をしたその男子だけど、私は全く見覚えがない。
「誰？知らないんだけど」
なのに北斗は得意気に口角を上げて、彼にチラリと視線を送った。
「黒坂っていうヤツ
同じクラスになったことはないけど」
「仲良かったの？」
「そこそこ？」
含み笑いで北斗は答える。
そんな北斗に気付いた黒坂くんは、
「久しぶり」
と、こっちのテーブルにやってきた。
やっぱり彼も、
「お前ら、まだ一緒にいるんだ？」
と、お決まりの台詞を口にする。
「うん、一緒にいるよ
大学も一緒だし、学部も一緒」
今までの人には適当に愛想笑いで躱すだけだった北斗が、黒坂くんにはやたらと饒舌に私達のことを説明し始める。
「ついでに住んでる所も一緒なんだよね」
「同じマンションに住んでるってこと？」
「マンションじゃなくて一軒家かな」
「シェアハウス…、とか？」
「じゃなくて、古い家を一軒借りて２人で住んでんだよね」
「でも、お前ら…、付き合ってはないんじゃなかったっけ？」
そんな黒坂くんの言葉に、
「ごめん、もうとっくに付き合ってんだけど」
北斗はそう得意気に答えた。
…何？この会話。
仲いいんだよね？２人は。
なのに、２人の間には微妙な緊張感に似た空気が流れているわけで。
黒坂くんが違うテーブルに行った途端、
「帰ろう、もう用事は終わったから」
と、私の手を引いて、そのまま店を出てしまった。
どういうこと？
用事は終わったって、一体この同窓会に何の用事があったわけ？
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ゆきの - 何十回もよんでる大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月22日 8時) (
レス) id: 3207e964c9 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 一番大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: aaee343ea9 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - ほんとに大好きな作品です。多分もう10回以上読んでいます。更新待ってます。 (2021年5月16日 22時) (レス) id: 931e445941 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - 何度読んでも心が締め付けられます！とても大好きな作品です。 (2021年2月3日 10時) (レス) id: a1c54d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 大好きで何度も読み返すくらい好きなお話なので、更新してくださり嬉しいです！続きも楽しみにしています！北斗くんが女の子に嫉妬しているとこが見たいような気がします。 (2021年1月14日 3時) (レス) id: b839608c40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめん
x他1人 | 作成日時：2019年5月19日 3時
