チョコミントフラペチーノ エキストラホイップ

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「まあ…、遠距離恋愛も悪くはないけどね」

とか、そんな言葉を口にしながらも、北斗は思いっきり寂しそうに目を伏せてしまう。

あれ？

てっきり偉そうに言い返してくると思ってたのに、意外と凹んじゃってる感じ？

「もしAが東京に残りたいっていうなら、俺も残るかも…」

そんな気弱な言葉を吐いた北斗は、そのままその話はしなくなってしまった。

かわいそうだとは思うけど、自己中心的な北斗にはいい薬だと思う。

自分に従わせようと思わずに、北斗はもう少し、私に従った方がいいと思うよ。









私の遠距離発言がよほど響いたのか数日おとなしかった北斗は、ある日の夕食後、

「A、ちょっと話したいことがあるんんだけど」

と、まるで別れ話でもするかのように思い詰めた顔をして、不自然に居住まいをただした。

「卒業後の進路のことなんだけど、ちゃんと話しておこうと思って」

…来た！

やっぱり気にしてたんだ？この間の話。








「この間も話したと思うけど、卒業後は地元に帰りたいと思ってる
Aは東京に残るかもしれないって言ってたけど、それはこっちで何かやりたいことがあるからってこと？」

正直、私は適当にそう言っただけで、本気でやりたいこともないし、別に地元に帰っても構わないと思ってる。

ただ、北斗の言いなりに人生を決められたくなかっただけ。

「北斗は地元でどんな仕事に就きたいとか、もう考えてるってこと？」

「俺は公務員になりたいって思ってる」

これは…、予想外に北斗らしくない答えだなと思った。

てか、面白くない。

北斗はいつも私の予想外のことばかり言い出して、私を驚かせる天才なのに。






「何で公務員？」

「組織的にきちんとしてるし、安定してるし」

「北斗は安定とか求めてんだ？」

「家族を養うんだから、安定は必要だと思う」

こんなやりとりをしているうちに、北斗の語気が弱くなっていくのに気付いた。

たぶん、これは北斗の本意じゃない。

「それって私の為？
私を養うから安定を目指すの？」

「そうだけど」

「私、北斗と家族になってもいいけど、養われるのは嫌なんだけど」

ここんとこはちゃんと伝えておきたい。

そうじゃないと、北斗はどんどん暴走して１人でとんでもない方向に走って行っちゃいそうだから。

それに私は、安定してる北斗よりも、風変りなことをして私を驚かせる北斗の方が好きなんだ。

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