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どちらかというと、私の方が大変だったような気がするけど。

何回、北斗に告ったっけ。

その度に「まだまだ」とか「もう少し」とか言われて、あしらわれてたのに。

思春期を丸ごと無駄にしたような気もするけど、

私の隣にはいつも北斗が当然のように居座っていた。

「大変に決まってんじゃん
Aのことが好き過ぎて、どうにかなりそうだった」

「嘘つき」

「ずっと、俺のAへの愛と、Aの俺への愛が釣り合ってないような気がしてた」

「意味わかんないし」

「なのにAは、何度も告白してくるし」

「…学生時代は恋愛しないからとかって、言ってなかったっけ?」

「それもあるけど、俺と同じくらい深く、俺のことを好きになってもらいたくて」

、当時の北斗がそんなことを考えてるなんて全然知らなかった。

恋愛感情なんてありませんけど?みたいな顔をして、内心はそんなに重いことを考えていたなんて。









「相変わらず重いね、北斗の愛は」

そんな意地悪なことを口にしても、北斗は怯まない。

「重いよ
俺の考えてることをAが聞いたら、怖くて泣き出すと思う」

「どんなの?
泣かないから教えてよ」

「もしAが死んだら、俺はその場で自死するだろうし
俺が先に死にそうになったら、絶対にAを道連れにする」

表情ひとつ変えずに淡々と話すその横顔に反比例して、北斗の思考は私の予想の範疇を軽く超えた重いものだった。

「怖い?」

なのに僕は、私に向かって大人びた綺麗な微笑みを見せてくる。

怖いよ。

かなり怖い。

だけど、私が死んだ後の病室で、毒薬かなんかを飲んで倒れてしまう北斗の様子を想像したら、

…なんか、萌えしか見つからなかった。









「私と北斗は、死ぬ時は一緒ってこと?」

「前に話したじゃん
Aが死んだら後追いするって
あの話をしてから、いろいろ考えたんだけど…」

だからそんなに、恐ろしいほど綺麗な横顔を見せつけながら、そんな重いことを爽やかに話さないで欲しい。

「Aは年末には帰省する?」

「帰るよ
夏休みに帰れなかったから」

「じゃあ、その時に一緒にAの家に行きたいんだけど」

「…いいけど、何で?」

「同棲してること、ご両親に言ってないんじゃないの?
一度、挨拶に行きたいと思って」

「いいって、そんなの」

「そのうち結婚するんだし、きちんとしておきたいから」

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ゆきの - 何十回もよんでる大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月22日 8時) (レス) id: 3207e964c9 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 一番大好きな作品です。更新待ってます。 (2021年7月14日 12時) (レス) id: aaee343ea9 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - ほんとに大好きな作品です。多分もう10回以上読んでいます。更新待ってます。 (2021年5月16日 22時) (レス) id: 931e445941 (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - 何度読んでも心が締め付けられます!とても大好きな作品です。 (2021年2月3日 10時) (レス) id: a1c54d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
まるこ(プロフ) - 大好きで何度も読み返すくらい好きなお話なので、更新してくださり嬉しいです!続きも楽しみにしています!北斗くんが女の子に嫉妬しているとこが見たいような気がします。 (2021年1月14日 3時) (レス) id: b839608c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめん x他1人 | 作成日時:2019年5月19日 3時

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