ヒロインかと思えば、親友ポジでした【d!】

三十二話 ページ35

『へっくしょいっ！』

風邪でも引いたかな。

早く帰った私に、お母さんは買い物を命じた。

……ん？あれ？

カフェテリアで一服している時、近くの席に見覚えのある人がいる。

「今日、コネシマのサッカーの試合があったんだっけ？トントン、行かないの？」

「仕事残ってんねん」

そういえば、コネシマ先輩の試合観に行かなかった先輩達は何するのか知らなかったな。

まあ、今制服着てないから、バレないバレない。

飲むフリをしながら、会話に耳を澄ます。

チラリと見えた好感度は、「10」と「8」。

状況を見るにひとらんらん先輩が何か買い出しに行って、トントン先輩が手伝った感じだろう。

「誰か行ってんの？」

「1年生達が張り切ってた」

「…俺らも行かへん？」

「仕事あるって言ってなかった？」

「グルさんも許してくれるやろ」

「俺はいいけど…」

「連絡せな」と呟く声と共に、ガタガタと椅子の音。

こんなイレギュラーイベントあった？

ヒロインがいるって知ったから、急に気変えた？まだ好感度「10」なのに？

たまたまそんなイベントがあったとして、こんな会話してたんだ。

トントン先輩とひとらんらん先輩も行くならマジで好感度上げチャンスじゃん。

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