だから私は優等生だっつってんだろ。【国見英】

優等生１７ ページ17

「国見っ！！くん、」


「真田さんが嫌がってるようにしか見えなかったんだけど」




そのとおりだよほんとうに！！


という意味を込め、国見の目を見て何度も強く頷く。




「は？国見に関係なくね？」




口を挟んだのは山本。


確かに国見は関係ないかもだけどそんなことどうでもいいから助けて。




「関係あるよ。だって真田さん、俺の彼女だし」




「「……はっ？？」」




えっちょっ、爆弾発言すぎて山本と同じこと言っちゃったじゃん。


……えっ？？えっ、何、意味が分かんないんだけど。




「なんだよ、さっき誰とも付き合う気ないって言ってたのは嘘だったわけ？」


「……えっと」



嘘と言われましてもこの状況に一番驚いているのは私なんですけど。



ふと国見の方を見るとマジかよって顔をしていた。


私がそんなことを山本に言っていたとは思ってなかったんだろう。




「つーかなんだよ、国見が彼氏かよ。……あーもう冷めたわ。せっかく遊んでやろうと思ってたのに」


「…………は」


「何だよそれ」




思わず私の本性が出そうになったが、国見の声によってそれは遮られた。




「人の彼女に手ぇ出しといて勝手なこと言うのやめてくんないかな」




今まで聞いた国見の声の中で、一番鋭い声をしていた。


怒っているのが伝わってくる。


……多分、私のために。




「……国見くん、いいから」


「よくない」


「いいから！」




私の声に驚いて、国見の雰囲気がいつものそれに戻った。




「とりあえず、山本くん」


「なんだよ」


「いい加減、帰ってくれないかな」




私はあくまで、笑顔を絶やさずにそう言った。



山本は何も言わずに帰っていった。やった。

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