~束縛~ A.Shirahama

束縛 32 ページ32

Youside

涙なんて、ほんと久々に出たかもしれない

『誰かっ、助けてっ』


そう呟いた時、ドアが開く音がした


亜嵐だっ


そう感づいたら震えが止まらなくなった


龍「誰かおるかー？」

龍友...くんっ？

『龍友...くっん...』

今にも消えそうな声で助けを求めた

龍「Aちゃんっ！」

龍友くんは私に気がつくと駆けつけてきた
急いで拘束を解くとフラフラの私を抱き上げ
着ていたジャージの上着を私に着せた

龍「ごめんな、俺らが目離したばっかりに」

『大丈夫だよ、ありがとう』

涼「龍友くん！？なにかあった！ってAちゃんっ！」

龍「特に何ともないみたいやで、上行こか」

私を抱っこしたまま
龍友くんの足はリビングに向いて進んだ

リビングに行くと、鬼の形相で亜嵐が私を見た

亜「何やってんの？A」

『あ、亜嵐っ』

亜「お前とはあとで話す、まず龍友くん
Aに、触んないでくれる？俺のもの(･ ･)だから」

龍「こいつはモノちゃうわ、人間や」

涼「亜嵐くんにとってAちゃんはただのおもちゃでしかないでしょ？」

亜「ふたりがそこまで言ってくれて良かったね？Aでも、背中のガーゼ取ってみな？
ものって言える証拠あるから、ねぇ？A」

だめっ、言わないでっ

龍「背中のガーゼってこれか？」

ジャージを捲って私の背中に触れた

『だめっ、触らないでっ！』

そう言って、龍友くんの腕からするりと抜け出した

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