英勇戦線オールドローズ【ディアス＝ラシェ＝メディタ】で作成 (ページ11)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:678 hit

… ページ11

過去…生まれついたときから、すべてを見通す目(天眼)を所持していた。
未だ天眼を制御することが出来ていなかった幼少期は時折チャンネルがあったように知らぬ場所が映り魔獣に襲われる人、飢えに苦しむ人、病魔に侵される人など、様々な"世界"を見る。
"世界"を見る度に見ることしかできず、苦しんでいるのに手を差し伸べることすらできない自分を嫌って部屋に閉じこもってしまう。
広い部屋は独りであることを感じさせたが、当時は苦しむ人を見るだけで何もできない自分にお似合いだと自嘲していた。
幼少期は"世界"がトラウマとなり眠れない夜を過ごしていた。
夜が訪れる度に本を読んで知識を蓄えたり試しに自身の首を絞める経験をしたりと様々なことをして紛らわせていた。まだ色の白かった肌にべったりと隈をつくって限界が訪れたころに泥のように眠る。
―そんな日々を過ごしていたある日。
知っている場所にチャンネルが変わった。そこでは、子供が賊に襲われていた。慌てて長男のギディルの手を引きそこに駆け付ければ、賊が子供にナイフを突き立てようとしているところだった。
ギディルは賊を殴りつけ、子供を助けた。
子供とギディルに感謝をされ、ディアスは目を見開いた。
嫌いな天眼が＿＿幼いディアスの心を抉るだけだった天眼で、誰かを救えるのだ。
それに気づいてからは早かった。
天眼を活かせるように弓を武器として選び毎日毎日鍛錬に明け暮れた。
両親は驚きながらも、狩猟をさせたり手合わせをさせたりとディアスが強くなれる様手助けをしてくれた。
本を読み、弓の鍛錬をし、少しずつ人を救うために力をつけた。

そうして何百年と時が過ぎ、英勇となった。
ディアスは"誰かを守るため"に、弓を取る。