私の存在価値 2

89 ページ42

.









『……… 話が、あるの』


真剣佑「………」









ソファーに座ってるまっけんくんに

ずっと扉の前で立ちっぱの私 。



これから話すなら隣に座ればいいのに、怖くて、身体がそれを拒む 。

















.









『っ………まっけんくん、


私たち、別れよう、……？』




真剣佑「………」




『… もう、ダメだよ


お互いがお互いをダメにしちゃってるんだよ、





それにね、わたし、最低なことずっとしてた 、』









言葉が詰まる 。



視線の先にいる彼は、何を思っているのか















.









真剣佑「……… ほんとはね、知ってた」









数分の沈黙を破ったのは彼だった









真剣佑「付き合う前も、その後も、Aの中に、ずっと違う人がいること」


『っ、』


真剣佑「足壊して、弱くなっちゃった時利用して漬け込んで、無理矢理Aの気持ちに蓋をして、


…… 俺だけが幸せならいいやって、思ってた









でも、ダメだね、笑



ずっと、………っずっと、 俺も辛かったみたい、」















ゆっくりと彼の顔が動く







やっとこちらを向いたまっけんくんの顔は、

どこか切なげで、でも 優しかった









久しぶりに、こんな表情を見た 。











……… 私は、こんな顔する彼が、









『っ 、…… 好きだったよ 』



真剣佑「… 俺は、今もすきだよ 。


こんなおかしいことしちゃうくらい、依存してた






…… A、こっち、これる ？」









今なら大丈夫 。




分からないけど、その感情が渦巻いて、私は彼の傍に駆け寄った 。





















.









真剣佑「……… 今までごめんね、」


『っちがう、

まっけんくんは悪くない、っ


わたしが、っずっと、！』


真剣佑「 、許せるかな、Aのこと 笑


でも、これ以上 縛り付けたら、戻れないから、ね」



『っ〜、』



真剣佑「…… 最後に 抱き締めて いい ？」









すっかり優しくなった彼の瞳が私を捕らえる 。









どこか懐かしかった 。









『… うん、』



真剣佑「ありがとう 、」









そっと彼が立ち上がり、割れ物に扱うように私を包み込む 。









真剣佑「、今までありがとう」



『っ、ありが とう ッ、』













.

90→←88

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す