私の存在価値 2

82 ページ35

壱馬side














壱馬「……… はぁ、」












いつもと同じ起床時間



いつもと同じくらいうるさい鳥の鳴き声







いつもとは全然違う、このだるさ。

















壱馬「… A、」
















家、帰れたんかな。



今日のリハ、来てくれるかな




















準備中、そんな考えがひたすらモヤモヤして、グルグルして、




無理やり消し去るようにマスクを付けて事務所に向かった。


















.




















慎「空気重っ」


壱馬「え？」













たまたまエレベーターで乗り合わせた慎





…………。









壱馬「慎は幸せそうやんなあ。」


慎「え？あ、今の彼女とですか？幸せですよ」


壱馬「…… はぁ。」


慎「なんてったって可愛すぎるんですもん」


壱馬「意味分からんわ。」


慎「あ、てか昨日行ったんすよね？Aん家」


壱馬「…行ったけど、 うん、 うん。」


慎「、、、壱馬さん、そんな男気ない人でしたっけ」


壱馬「うるさいわ」







恋愛には繊細やからな。俺は。








慎「声出てますよ辞めてください。

で、結局どうなったんですか？」


壱馬「、家飛び出して、そのまま…」


慎「は？帰ってこなかったとか？」


壱馬「…… そゆこと」


慎「まじか…… 死んでたらどうするんすか」


















なんてことを話しながらリハ室に一緒に歩く




ちょっと冷たいけど、慎になら何でも言ってしまうんよな、























壱馬「…今の俺じゃ、どうにもできひんから、」


慎「…最ッ低すね。弱い男は嫌われますよ」
























有り得ない、まじで。

なんて言われながら慎がリハ室のドアノブを引く























慎「まじで死んでそ………… あ、いました」


壱馬「え？」



















部屋を眺めるなりそう呟いた慎。






若干視界を遮っていた黒いバケハを取れば明るくなる視界。





















.



















左奥の、端 。


















彰吾「あ、来た」


『っ、！』


健太「うわほんとだ」


昂秀「まあまあ、笑」






















3人に守られるようにして囲まれている彼女の姿があった

83→←81

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す