記憶 43 ページ48
・
健太side
「はざーす」
陣「おー健太おはよぅ」
「あ、一昨日抜けてすみません！」
リキヤ「いや、全然大丈夫大丈夫。何かあったの？」
「あ〜…」
一瞬、躊躇った。
メンバーに彼女の事を話すのか。
でも、いつかは話さなければならない日がくる。
紹介した限り彼女が楽屋に顔を見せに来る事だってあるし、思い出話を、特に翔平なんかに話されても忘れてて混乱する事もあるかもしれない。
「………リハ前、時間もらっていいですか？」
陣「…別に、かまんけど、」
リキヤ「もう良い時間だから集まってくるよね。」
リキヤさんの言葉を聞いてから約5分。
あっという間に全員集まって、今はリハ室の真ん中で丸くなってる。
陣「なんか健太から話あるねんて」
北人「へー？」
壱馬「なんすか？」
「まず一昨日抜けちゃってごめんなさい。実はあの時、…A、急に家が分からなくなったって言ってきて、」
瑠唯「家？」
「うん。帰り道も分かんなくなってて、一緒に帰って話を聞いたんです。最近凄い忘れっぽくて、ストレスからきてるのかな、ってことで昨日病院に行ったんです。そしたら、」
「…軽度認知障害、って、」
翔吾「…けいどにんちしょう、？」
海青「何ですかそれ、」
「若年性アルツハイマー病の前段階の病気。」
陸「え？じゃあ…」
「……A、だんだん記憶が無くなるらしい、です」
静まり返る部屋。
皆びっくりして、固まってる。
その状況の中でも、けんたは話し続けた。
処方薬はあるけど、治る確率が低いこと。
これから1人では出来ない事が増えること。
だから一緒に暮らすと決めたこと。
そして、
いつかメンバーのことも、けんたのことも
忘れてしまうということ。
「…次Aに会った時、もしかしたらもうメンバーの事を忘れてるかもしれないんです。けんた達との会話も、消えてるかもしれないんです。」
「…これから迷惑かけるかもしれないけど、一応、報告した方がいいなって、思ったんで今この場を借りて言わせてもらいました。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 839人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かほ - 見てると涙が出てきてとてもいい話です、続きが気になります (2020年1月6日 19時) (
レス) id: e101b4f30a (このIDを非表示/違反報告)
杏都(プロフ) - あいりさん» やってないです！！ (2020年1月3日 23時) (レス) id: 525275f8a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - なんか、祖母を思い出します、、、あ、主さんはSNSなどやってますか？ (2020年1月3日 21時) (レス) id: 68a42301b4 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - もしかして主人公ちゃん、若年性アルツハイマー……ですか……？ (2019年12月29日 1時) (レス) id: 31b1d8fc0c (このIDを非表示/違反報告)
優杏(プロフ) - 怖い怖い病気とか言わないで〜！！ (2019年12月28日 22時) (レス) id: 0e803c254a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏都
| 作成日時：2019年12月19日 19時
