まっちゃみるく3 (○短編集)

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｢はーいじゃあ今日の授業はここまでー｣



｢ありがとーございましたー｣



大倉先生が授業を終えればすぐに周りに群がる女の子達



その子達一人一人に笑顔で対応してて、やっぱりうちが贔屓されとるわけやなくて



単に大倉先生がそういう人なんちゃうの？と思うけど



でも、よく考えれば、大倉先生がうち以外に頭ポンポンするとか、スキンシップするん見たことないねん



もちろん、好きってゆーてるのも



他の子を下の名前で呼んでるのも



…みんなの前で私のことを丸子ちゃんって呼ぶのも聞いたことない




それってやっぱりそーなんかな




でも…うちなんかのこと贔屓なんてせえへんやろ



こんな地味子ちゃんやのに



してるんやとしたら、自分が顧問してる部活の部長やからってだけで別にうちやからってわけでもないと思う



｢特別な子｣やなんて自惚れすぎや、そんなことあるわけないやんか丸子



そうやって自分に言い聞かせる



きっとあの好きは、動物愛的なやつやな、うん



きっと親しみやすいねん、妹みたいな感じやねん



まだ教卓周辺で女のコの相手をしてる大倉先生をぼんやり見ながらいつもより少し自虐的になっていると



女のコの群れの間からバチっと目が合い微笑まれる




不意打ちやったから



ちょうど大倉先生のこと考えてたから



不自然なぐらい熱い顔をとっさにふせて手の甲で冷やす



心臓うるさ…




…なんやねん、なにが｢特別な子｣やねん、なにが｢好き｣やねん



特別に思ってるのも、好きなんも、全部うちの方やんか




それをわかって遊ばれてるだけなんちゃうかな なんて



そんなこと考えるうちは最低やと思う

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