No.24 憶測 ページ24
ASide
A『だってさ、証拠消さなきゃバレちゃうでしょ？』
未だズキズキと痛む頬を撫で笑いながら言う。あぁ、相澤先生マジでキレてるなぁ。
相澤｢証拠が無ければお前が虐められてた証明が出来なくなる。そうしたらアイツら(虐めっ子達)が得するだけだ。お前はなんも救われない｣
A『そんなの承知の上ですよ。実際今日の放課後も呼び出されてる。さっきのも嘘で今までずっとアイツらの高校の体育倉庫に閉じ込められて殴られてた。水もかけられた。けどそんなのもう慣れてる。痛くも痒くも無い。だったら別に好きにさせとけば良いじゃないですか』
相澤｢そんなの駄目だ｣
その言葉で俺の中の何かが切れた。
声のトーンを低くして言う相澤先生の言葉にゆっくりと顔を上げる。そして相澤先生の身体をさっきまで俺が着いていた壁に押しつけ左足を壁に着ける。
...こんなことするつもりなかったけど、まぁ良いか。
A『どの口が｢そんなの駄目だ｣なんて言ってんだよ。今更虐めを辞めさせるなんて出来るか？俺を2年半虐めて俺が死んだら嘲笑っていたアイツらだぞ？そんな無能達が警察に突き出されただけで変わる訳無いじゃないかコミックじゃないんだから。もしも変われたとしても今までのこと水に晒して仲良くすることもゴメンだ。てかさっきから｢闇雲の為｣みたいなこと言ってるけど、俺がUSJで敵(ヴィラン)に連れてかれそうにならなければ喋るどころか関わりもしなかっただろ？そんな奴がなんでそんな上から目線で言えるんだよ』
もう最初のうちで｢辛さ｣なんて感じなくなった。だからそんなこと言われる筋合いも無い。
A『俺は同情なんかいらねぇんだよ。お前らは知らねぇかもしんないけど俺は此処にいることさえも嫌なんだよ。もう何処にも行きたく無いから。だって俺、物語の始まりから間違えたスタートを切ったから。それのせいで切る回数も段々増えてる。御蔭で腕は限界まで来てる。ヤバいくらいに』
しゅるりと包帯を解き相澤先生に左腕を見せる。本当にストレスが溜まる。もういっそこのまま除籍されたら良いのに。
そんな本音は喉の奥に陥れパッと何時もの笑顔を浮かべる。俺は抉れた切り傷に血塗れの腕を伸ばし相澤先生の顎を掴みゆっくりと顔を近付けた。
A『てことで、俺のことは余り深入りしないで下さいね。相澤先生』
―――もう二度と、戻れなくなってしまうから
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作者名：綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時：2020年4月16日 20時
