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和臣は、アーヤの肩ごしに和典をにらみながら、くやしそうに言った。
「図書室の管理をしてる有田先生。」
瞬間、和典と貴和もピタッとニヤニヤ笑いをやめ、和臣に向きなおった。
「ほんとか!?」
「おまえ、あの人と話したの?」
和臣は、ふてくされて答えた。
「直接、頼まれたんだ。おまえら、いやなら、やらなくたっていいんだぜ。オレひとりでやってやる。なんたって初仕事だからな。」
「とんでもない。」
そう言って貴和は歩みより、右手を差しだして和臣の手を取ると、かたくにぎりしめた。
「よろこんで協力するよ。な、上杉。」
ふり向かれて和典は、ニガ笑いしながらうなずいた。
「まあな。」
和彦が、キョトンとして聞いた。
「急にどうしたの?」
和彦は、ぽってりとした体つきをしている。
おなかも、ぬいぐるみみたいに少し出ていて、前歯が2本、ほかの歯より大きい。
だから、笑うとビーバーみたいでめっちゃかわいい。
「相手が有田なら、オレ、なんでもするな。」
貴和が言いながら、その目に、大人っぽい笑いをにじませた。
「だって、有田って美人じゃん。」
和臣が、びっくりしたように叫んだ。
「えーっ、オレはそんなふうに思わねーぞ。」
わきで和典が、静かに口をひらいて言いなおした。
「黒木の言ってる美人ってのは、グラマーのことさ。」
とたんに4人は、目と目を見合わせ、それからなんともいえない微妙な表情でうなずき合って、同時に言った。
『よし、事件解決のためにがんばろう!』
えーい、男って不潔っ!
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フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、「ためすぎだろ」じゃなくて「だめすぎだろ」じゃないですか?間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
星 - よかったです! (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!合ってます!即直してきました! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
星 - 私が間違ってたらすみません! (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
星 - こんにちは!えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか? (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2018年5月15日 15時