切られたページは知っている

＊ ページ7

「まじめに聞けよ。図書室の本に関する事件なんだ。」








それって...本当に大事件ですか、和臣サン...



不安だ。









「おい、若武。」





和典が、ため息まじりに言った。







「それの、いったいどこが大事件なんだ？」




ですよね。









和臣は、手の甲をわたしたちのほうに向け、立てたひとさし指をふりかざした。









・







「オレのカンさ。」





ためすぎだろ！




カッコつけかよ！








くせのない黒い髪がサラッとゆれて、和臣のきれいな目を一瞬、青く光らせた。






「まちがいないね。」






カッコつけなのはうざいけど、和臣のカンってよく当たるんだ。









てゆーか、アーヤ、和臣に見とれてません！？








・







「前のマウンテン・バイク事件だって、結局は、大事件だっただろ。」






「ああ。」






和典が、少し投げやりに答えた。








「で、今度の事件の被害者も、またおまえってわけなのか。」




貴和がクッと笑いだし、和臣はムッとしたように和典をにらんだ。






「上杉おまえなあ、オレに文句でもあるのか。」







和典は、それを無視して横を向き、口をつぐんで笑っている貴和と視線を合わせて、ニヤリとした。







それで和臣は、ますます腹が立っちゃって、ツカツカッと和典の前まで歩みよってきた。









アーヤが、あわてるようにその前に進みでて言った。





「それって、誰から頼まれたの？」

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