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よくわかったぞ。
「つまり、この雑誌は。」
和臣がめずらしく慎重な口調で言った。
「君が、父親の診療所の待合室に忘れて、
すぐに取りには行かず、取りに行った時には
そこから消えていて、次の週の朝
ゴミと一緒に出されているのを見つけたんだな。」
金沢誠は、和臣の言葉にうなずく。
「診療所の待合室は、オフクロとか看護師さんたちが毎日掃除するんだ。
だから、そのときに間違えて捨てられたのかもしれない。」
けど、さ
普通に考えておかしくない?
だって、待合室には漫画とか雑誌がたくさんあるじゃん?
その中からあの雑誌だけを選んで捨てるって、なくない?
処分するなら、もっとまとめてするはずだし、
1番は、台所のゴミと一緒にしたりはしないはず。
「雑誌がなくなった日、待合室に入った人間は?」
和典が、静かに口を開く。
「患者と、掃除をする看護師さんだけ?」
金沢誠が、うなずく。
「うん。オヤジは、いつも待合室には出ていかないから。」
オフクロは出るけど、と付け足す。
和臣が、息をつめるようにして口を開いた。
「その中でさ、竹細工とか紙細工を作る趣味の人っていない?」
ドキドキ。
金沢誠はなんと答えるのだろう。
この答えによっては、犯人が決まる。
みんなが緊張して、金沢誠の答えを待つ。
けど、金沢誠は、高まっていたわたしたちの期待にはこたえてくれなかった。
「さあ、知らないな。」
アーヤが見るからにがっかりしている。
和臣はもっとがっかりしてるかな、と思い
和臣の方を見る。
え、全然やん。
むしろ、上機嫌で金沢誠の肩をポンポンとたたいている。
なんで?笑
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フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、「ためすぎだろ」じゃなくて「だめすぎだろ」じゃないですか?間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
星 - よかったです! (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!合ってます!即直してきました! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
星 - 私が間違ってたらすみません! (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
星 - こんにちは!えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか? (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2018年5月15日 15時