* ページ48
「くわしいことは、まだ話せないけど、
君の正義感を信じて頼む。
オレたちに協力してくれないか。
この雑誌を図書室から持ち出して、戻すまでの間、
どんなことがあったかを話してほしい。
君のプライバシーと人間は、尊重する。
どこにももらさない。」
和臣は、さらに金沢誠が喜びそうなことを付け加えた。
もし事件がうまく解決したら、感謝の印として
図書室の本を好きなだけから出せるように
有田先生に交渉するって。
「ほんとっ!?」
金沢誠は、顔を輝かせて言う。
ああ、これ絶対交渉なんかしないやつだから。
可哀想に…
うんうん、とうなずき
「もちろん!約束する。さ、話してくれ。」
と言う和臣。
金沢誠はすっかりその気になって、口を開いた。
まあ、和臣がした約束は、たぶんアーヤあたりが
代わりに交渉してあげるだろう。
優しいもん。
いや、責任感が強いのもあるか。
金沢誠の話をまとめると、
雑誌は、他の本にはさんで持ち出し、次に秀明に来る時にかえすつもりだった。
そして、次に秀明に来る日、その二冊を持って家を出たけど、時間があったので、お父さんの診療所に寄った。
金沢誠のお父さんは、家の北側に診療所を持つ歯医者さん。
そこで時間をつぶそうと思い、診療所で読み始めたが、時間が過ぎるのを忘れて読みふけったため、気付いた時には時間がギリギリ。
そして、慌てて飛び出した金沢誠は、二冊とも忘れてしまった。
気がついたのは、秀明が終わってから。
その日帰った時は、もう診療所はしまっていたから、あくる日に取り戻しに行こうと思った…
が、行ってみたら、一冊はあるが、もう一冊がどこにもない。
焦って捜してもないし、買おうにももう本屋には売っていないものだった。
ところが次の週の朝、家の近くのゴミ収集所の前を通りかかった時、ネコが破ったゴミ袋の中から、その雑誌がのぞいていたらしい。
ラッキーだと思い、金沢誠はそれを拾って借りた時と同じ方法で本の中に隠して返した。
って、話。
88人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、「ためすぎだろ」じゃなくて「だめすぎだろ」じゃないですか?間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
星 - よかったです! (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!合ってます!即直してきました! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
星 - 私が間違ってたらすみません! (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
星 - こんにちは!えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか? (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/
作成日時:2018年5月15日 15時