切られたページは知っている

＊ ページ4

「立花。」







言いながら、和典がいすをならして立ちあがった。




「よそでしゃべるなよ。」





強く切れあがった目が、メガネのむこうでキラリと光った。



「ここで仕入れた情報は、どこにも流すな。」






アーヤは、わたしに背を向けていたので表情はわからなかったけれど、



上杉クンはときどき恐い


そう思っただろーな笑




ま、和典は色白で(サッカーやってるけど、焼けない体質なんだよ、うらやましすぎる)、髪も茶色っぽくって、体つきもほっそりしていて、女子みたいにきゃしゃなのに、すごくカンがするどいんだ。



で、冷静で、人に対して少し厳しいときもある。




「でないと、おまえを信用できないからな。」



つき刺すように見すえる和典。






それに対して、アーヤは少しムカついたらしい。





「私は、おしゃべりじゃないわよ。」


でもそう言ったアーヤに、和典はからかうように笑った。



「オレ、おしゃべりでない女なんて、いないと思うぜ。」






瞬間、となりで貴和がプッと吹きだして、和典の肩に腕をかけ、体をもたせかけるようにしながら大笑い。




言われてるのは、わたしじゃなくてアーヤだったけど、その様子は、いかにも和典の言うとおりといった感じで、少しムカついた。




アーヤも後ろを向き、わたしに助けを求めてきた。





だから、わたしは言った。



「じゃ、わたし女じゃないのかも。」







瞬間、2人の笑い声は消え、教室はしいんとした。








「いや、女だろ。」


「ごめん、怒るなって。」



うるさ笑

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