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ページ26

和彦は、待ってましたというように、

リュックから問題の雑誌を出した。




そこまでは普通だったんだけど、

目の前でヒラリとひらかれたそれを見て、

わたしとアーヤは思わず青ざめた。



だって、とじ込みのノリがきれいにはぎ取られて、

一枚一枚がバラバラ。


数ページが切り取られただけでも気にした有田先生が、

それを知ったらどんなに起こることだろう......。


その様子を想像して、わたしはハラハラした。




だって、本が大好きだから、そーゆーことになると有田先生、

人が変わったみたいになっちゃうんだもん。




そう思うと同時に、このことは、どんなことがあっても

バラさないようにして、ごまかすしかないと思った。



同じ思いをまたまた考えてたらしいアーヤと、

二人でうなずき合って、

相手の気持ちを確かめ合ってたんだけど...



そんなことを考えたのは、女子二人だけだったみたいで、

みんなは、ちっとも気にせずにどんどん話を進めていた。



やっぱり男子っていうか...いや、

みんなの場合は研究者タイプなのかも笑


他の人のことは気にせずに、没頭しちゃう感じ?




「ページの切り口を顕微鏡で調べてみたけれど、

繊維の切断面がピッタリそろっているところから見て、

犯人が使ったのは、ハサミか、カッターを含めたナイフだ。

本に残っているページの幅の少なさや、切断部分に

押し切られたような跡がないこと、

切断線がまっすぐなことを考えあわせると、

ナイフとスケールを使った可能性が強い。それも、

かなりするどくて、刃の薄い特殊なものだ。

世界のナイフのカタログがあったら見てみたいんだけれど、

黒木、探してきてくれる?」



貴和は、すぐうなずいた。


貴和はなんでもすぐに、手に入れてくる。


ものでも人でもお好みしだい。




けど貴和ごめん、そのカタログうちにある((

なんであるかは聞かないで(((((



あとで貴和にこっそり言おうかな。


きっと住所も調べなきゃだからいいよね、

わたしが担当しても。





「それから、とじ込みをはがしていたら、

間からこんなものが出てきた。」



言いながら和彦は、胸ポケットから、

たたんだティッシュを出した。




ていねいにあけられたその中には、

透明な奇妙なものが入っていた。




爪の先ぐらいの大きさで、薄さは1ミリもない。



「なんだ、それ。」



和臣は、好奇心で顔を輝かせた。



和彦自身もとても興味深そうにそれを見つめる。

*→←*



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フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、「ためすぎだろ」じゃなくて「だめすぎだろ」じゃないですか?間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
- よかったです! (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!合ってます!即直してきました! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
- 私が間違ってたらすみません! (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか? (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/  
作成日時:2018年5月15日 15時

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