夢みたいな現実。9 ページ9
見て分かるほどの落ち込みように、さすがにまんばも口を開いた。
「ぁ、いや、すまなかった。そこまで落ち込むとは…」
まんばが謝っても尚落ち込んでいる見習いさん。
このままではまんばも落ち込みそうな勢いなので、ここは一肌!
「見習いさん、大丈夫! 私がいるよ!!」
なんっていいこと言うんだろう、私!
これで見習いさんも大丈夫だろう!(ドヤ顔)
「あー…有り難う御座います、審神者様!
山姥切さんも元気出して下さい、私は大丈夫です!」
…無理してる…無理して笑ってるのが分かっちゃってますよ、見習いさん?
そして見習いさんはこの直後、ありえないことを言うのだった。
「えぇーと…勘違いしているようなので修正しておきますが、私は乗っ取りが目的ではありませんよ?」
いま、なんて…
“乗っ取り”
その言葉は見習いからは絶対出るはずの無い言葉だった。
だってその言葉が一般的に知られているのは、人間界の方でだから…
どうしてその言葉を人形である彼女が知っているの?
それとも彼女は人形じゃないって言うの?
そんなのありえないはず…だってこの本丸は “ゲーム用” なんだから。
まんばも異変に気付いたのか、少し殺気を放っている。
「分かった。でも見習いは期間中、離れで過ごすことになってるから、ごめんね。
それと離れには日用品は全て揃ってる。資料室があって、この本丸の出来事が書かれてるから、そこで暇を潰して。本丸のことは明日話すから。
あと、夕食はこんすけが呼ぶことになってるから安心して。
今日はもう疲れたって顔してるよ? 離れで休んでおいで」
自分が思っていたより随分と低い声が出た。
見習いはそこまで驚いて無かったけど。
もしかしたら、バグなのかな?
ちょっと感情入っちゃいました! 的な?
でも、みんなに報告はしなければならないだろう。
「分かりました。お言葉に甘えてそうさせていただきます。
えっと…ちなみに資料室はどこら辺にあるのでしょうか?」
「え!? ……あー、確か裏に入口があったはず…」
「有り難う御座います。ではこれで」
あまりにも機械的な声に驚いてしまった。
だけどそれは去り際に打ち消された。
___まんばを見たのだ。
去り際に、チラッと見て苦しそうに顔を歪めながら視線を前に戻した。
見習いさんはああ言ってたけど、やっぱり乗っ取りが怪しい。
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時