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夢みたいな現実。35 ページ35

「…………………………………天使?」

「「え?」」


あれ、なんで目の前に天使が……いやそれよりもユーレイは!?


「だ、大丈夫ですか?」

「………れぃ」


私の発した言葉がなにか分からないようで、首を傾げる天使二人。
それもそうだろう。自分でも小さく掠れた声は聞き取りづらい。おっかしいよなー、全然平気だったはずなんだけどなー()


「……ゆ、幽霊、い、ます…か?」


二人はお互いの顔を見てキョロキョロと周りを確認し始めた。
私はその姿を不安ながらも見つめ、結果をただ待った。もちろん座り込んだまま。

二人は確認し終わったのか、小走りで私の傍に寄ってきた。なんて可愛い。


「大丈夫ですよ、見習いさん。幽霊というのはどこにも感じられませんし姿も見当たりません」


そう言う彼__平野藤四郎はにっこりと微笑み、すっと手を差し伸べてくれた。


「すみません。まだ五時なのにも関わらず、押しかけてしまい…」


申し訳なさそうに眉を下げて謝罪の言葉を言うのはもちろん! 我が初鍛刀の前田藤四郎だ!

……ま、私の本丸じゃないんだけどね。

私は平野の小さな手をそっと取り、あまり体重を掛けないように足に力を入れて立ち上がる。


「いえ、私こそ昨日の今日でまたもお見苦しいところをお見せして申し訳ございませんでした」


震える声を誤魔化すように頭を下げる。





昨日のことが頭をよぎる。



まだ、怖い。

まだ、怖いが勝ってる。

歓迎されてない。あの目で見られる。また疑われる。斬られる。殺される。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ___




「__見習いさん!!」



誰かの大声でハッと顔を上げると、二人が心配そうな面持ちで私を見ていた。

冷や汗が止まらない。これも信じていいものなのか自分にはすでに分からなかった。

怖かった。

信じた先に裏切られでもしたら___。


「……見習いさん、手を出してください」

「…え」


理解が追いつかず何もしないでいると、バッと前田さんに手を取られる。
何かを察したのか、平野さんももう片方の手を取った。

…いや意味分からん。
なんでや、なんで手を……そしてなんで跪いて…?


「僕たちは、あなたを信じてみたいんです」

「……だからどうか、僕たちのことも信じてみてくださいませんか?」


先に前田が、続いて平野が。


___チュ



………………は。


「えっ、なっ、な、ななななぁ…っ!?」


手の甲にキスされましたとさ。はい、終わりー。

とはなりませんね。

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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時

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