夢みたいな現実。31 ページ31
いつの間にか、僕は部屋の前に立っていた。
少し考え事に夢中になりすぎていたのでしょうか…
はぁ、と息をついて、僕はそっと襖に手を掛けて入った。
そこで、僕はとても重要なことを忘れていたことに気づいた。
___僕が寝るはずのお布団が、一番遠いところにあることに。
どうしたものかと頭を悩ませていたが、結局、慎重に進むとしか答えは出なかった。
息を殺しながら、ゆっくりとその一歩を進める。
そんな緊迫する空気の中、乱兄さんが寝返りをうったのが見えた。
「んー…」
同時に発せられた声に大袈裟に反応した僕は、大きく肩を揺らした。
身体が張り千切れそうなほどの心臓の音を聞きながら、ゆっくり振り向く。
遅くなってしまったのは僕の不始末ですし、その不始末のせいでみんなを起こすことは出来ません。
そんなことを考えながら起きていないことを確認して、また歩き出す。
その後は、何とか問題なく、自分のお布団に着くことが出来た。
今日はとても疲れた。
色んなことがあって…こんなにも自分の意思をハッキリ言ったのは、きっと、主君と山姥切さんと僕と五虎退の四人だったとき以来だろう。
「やっと、帰ってきたんですか」
突然、横で寝ていたはずの平野に声をかけられた。
「起きて…いたんですか」
「はい。 遅くならないと言っていたので」
そんなことも言った気がする。
だとしたら、平野には申し訳ないことをしました。
僕がすみません、と言うより早く、平野が口を開いた。
「主との話はまとまりましたか?」
「はい。
それで、明日早速、離れに行ってみませんか?」
「また唐突ですね。…いいですよ。
経緯は明日でお願いします、今日はもう寝ましょう」
「はい、そうしましょう」
そして部屋には、静かな「おやすみなさい」という二人の声が響いた。
平野が起きていたということは、きっと皆起きているのでしょう。
そんなことを思いながら、僕はすぅ、と意識を落とした。
____午前0時、粟田口就寝。
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なのは(プロフ) - 甘gumさん» こ、こんな不定期なものでも待っていてくださるなんて…感動です!!謎の視線については後々…ということで、また頑張っていきます!ありがとうございます(*^^*) (2019年11月26日 9時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
甘gum(プロフ) - 更新待ってました!ありがとうございます!主人公を見る謎の視線が何なのか気になりますね…更新お疲れ様です! (2019年11月26日 0時) (レス) id: ac11c5bffc (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雪さん» うわぁぁ!!涙が止まらないなんて.......ありがとうございます!!これからも長く続けられるよう、推進して参ります! (2019年7月2日 6時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 一気読みさせてもらいました!涙が止まりません(笑)続き楽しみにしてますっ! (2019年7月1日 20時) (レス) id: 83eed38689 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 狐火さん» 遅れてすみません!一目惚れして頂いて感謝です!まだまだ長くなるかも知れませんが、今後ともこの小説をよろしくお願いします! (2019年2月25日 19時) (レス) id: 0e7eece4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋月なのは | 作成日時:2017年8月15日 15時