【原神】無表情の私とホムンクルスの君【アルベド】 (ページ10)

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9話ページ10

休暇か.....。
そう言われても、特にすることも思いつかないため、ベッドに入り、目を瞑る。

あれだけ休んでも、まだ疲れているみたいで、気付いたら夢を見ていた。

父と母が楽しそうに笑っている。
にこやかに食卓を囲む、まさに円満そのもの。

だけど、そこに私は居なかった。

それに気付いた途端、視界にノイズが走る。
世界に亀裂が入り、崩れていく。

ボロボロと廃墟のように崩れ去っていく光景を呆然と眺める私。

恐怖心に駆られ、その場から走り去ろうとすると、何かに足を捕まれ阻まれる。

足元を見ると、ハイライトのない目で黒い涙を流す父と母の姿がそこにはあった。

父「お前のせいで......お前さえ居なければ......」

母「あなたが私を見捨てなければ......」

父/母「俺/私はこんな苦しい思いしなくて済んだのに......!!!」

そこで、目が覚める。

『おか......さ......』

上手く息が出来なくなっている。

机に立て掛けてある剣を取り、もたつく足を無理やり動かし家から出ていく。

外は明るく、人で賑わっていた。

人目もはばからず、無我夢中で走る。

目的地はなく、ただただここじゃないどこかへ行きたかった。

どこまで走ったのか分からない。
ただ、ぼんやりとした視界の中に映っているのは、狂風のコア。

協会の討伐懸賞に出てた。
1人で戦うには、少し手のかかる相手。
今の体力で、この相手から逃げるのはほぼ不可能。

戦うしかない。

『っらあああぁぁぁぁぁぁ！！』

相手も風元素のため、私の元素攻撃では相手にほとんどダメージが通らない。
だから、ひたすら剣で斬るしかない。

気が遠くなりそうだ。
そう思いながらも、ひたすらに隙を狙う。

突進攻撃の後は、隙が大きい。
まさに、今、突進攻撃を仕掛けてきた為、避けて反撃にうつる。

すると、今までだったら硬直で動けなかったはずの、狂風のコアは、また私に向かって突進してきた。

まずい、そう思った時にはもう手遅れで、踏み込んだスピードも合わさり、感じたことの無い衝撃が、私の体に走る。