【原神】無表情の私とホムンクルスの君【アルベド】 (ページ6)

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5話ページ6

あの後、流れるようにアルベドさんに背負われ、ぼーっとしているといつの間にか、アルベドさんの拠点に着いていた。

アルベドさんは、私をそっと椅子に降ろすと、どこからか毛布と放熱瓶を取り出し渡してくる。

『ありがと.....ございます.....。』

パイモン｢よし！できた！旅人特製のお肉と野菜のシチューだ！｣

空｢口に合うか分かんないけど......お腹すいてたら食べてね。｣

そう言って栄誉騎士さんは、私の前にシチューをコトリと置く。

『ありがとうございます.......。』

至れり尽くせりすぎて、不安になってくる。

アルベド｢それで、旅人。君はどうしてここに？｣

アルベドさんがそう訪ね、ことの成り行きを全て話す栄誉騎士さん。

アルベド｢なるほど。ジンが.....。｣

アルベド｢良かったじゃないか。やっぱり、怒ってない。｣

そう言って、アルベドさんは私を見る。
その青い目が、全てを見透かしているようで、私の知らない私まで知られているようで、怖い。

『そ.....うみたいですね。』

徐々に声が小さくなる。
意気地のない自分に嫌気が差す。

パイモン｢おい！アルベド！そんな責めるなよな！！！｣

そこで、パイモンさんが助け舟を出してくれる。

アルベド｢僕は別に責めてる訳じゃない。彼女の不安を解消するために、言ってみたけど、かえって不安にさせてしまったみたいだ。｣

空｢ごめんね......アルベド、悪いやつじゃないんだ。｣

パイモン｢そーだぞ！ちょっと、デリカシーが無いとゆーか、空気が読めないだけだぞ！｣

そう言って笑い合う3人をみていると、何かが込み上げそうになる。
込み上げてくるものを、ぐっと、奥に奥に押し込み、笑顔を作る。

『大丈夫ですよ、アルベドさんが優しいことは分かってますから。』

アルベド｢......｣

『すみません、少しだけ横になりたいのですが.....』

横になりたいのは割と本当で、精神的にも肉体的にも既に限界を越えていた。

アルベド｢こっちに横になれる所がある。毛布がまだ欲しかったら言って。｣

『大丈夫です、十分です。ありがとうございます。』

限界を確信して、とてつもない睡魔に襲われ、返事も雑に横になる。

毛布も放熱瓶もあるのに、胸の真ん中だけ寒かった。