検索窓
今日:33 hit、昨日:34 hit、合計:8,050 hit

. ページ4

.

黄side








「 ぁえっと…学校、行ってください。 」


自分の発したトンチンカンな言葉に恥ずかしくなりながら、早口で言う




「分かった」と突き放してくれればいいのに、助けてくれた優しい彼はそんなことするはずもなく「んーー、」と少し考えた後になにか思いついたようにガサゴソと自分のバッグを探り始めた

沢山出てくるお菓子や、くしゃくしゃのプリント。多分この人あんまり整理整頓とかできないタイプの人なんだろう




「 これあげる 」

ようやく取り出したそれは、なにかのチケット



「 …なんですか、?これ、 」

「 タク券!これで無料でタクシー乗れるから 」

「 、え? 」


なんでそんなものを持っているのか、なんでそれを僕なんかに貸してくれるのか

謎でしかなくて、今度は僕が頭にいくつものハテナを浮かべる




「 早く家帰ってゆっくり休んで。学校で待ってるから 」

「 ……ぁ、ありがとう、ございます 」


断る気力も残ってなくて、それを受け取りタクシーまで捕まえてくれたその彼に見送ってもらう

目を瞑っていれば、運転手さんに起こされて家の目の前に到着していた




本当にお金払わず乗れちゃった、と少しの優越感に浸りながら鍵を開け家に入る

玄関に座ったところでふぅ〜と息を吐いた



やっぱりまだ重い体を動かして自分の部屋へ行き、制服を脱ぐ

消臭スプレーを満遍なくかけまくって、シャワーを浴びて、髪も乾かさずベッドに横になった






.






2日後の登校日

体調も治ったし大丈夫だろうと少しドキドキする中で電車に乗り込む


この前と同じ時間同じ車両。やっぱり大きな音は苦手だからヘッドホンをつけているけど音量はいつもより小さめだ

あわよくば、助けてくれたお兄さんに会えれば…なんて期待を胸に電車に乗り込んだ




「 𓏸𓏸駅〜𓏸𓏸駅〜 」と車掌の放送が鳴って、学校の最寄り駅に降りる

あのお兄さんとは会えなかった



改札を通り過ぎて、少し歩いた先にある桜並木

そこを抜ければ僕の高校だ







.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
設定タグ:stxxx , 体調不良 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストありがとうございました🙌🏻今後ともよろしくお願いします🕊 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ぽさん» リクエストありがとうございます( ᵕᴗᵕ )多少お待たせしてしまうかと思いますが、気長にお待ちいただければと思います🙇‍♀️🙏 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - リクエストありがとうございます!。最高でした!らふのすけ様のお話大好きです! (4月30日 11時) (レス) @page47 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも小説を楽しく拝見しています!リクエストをさせて頂きたいです、黄くんのだいぶ長引いている夏風邪を全メンバーで看病して頂きたいです!その他細かい設定はお任せさせて頂きたいです。お願いします! (4月29日 23時) (レス) id: 46eeb8c8aa (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - アンケートやっておきました (4月16日 7時) (レス) @page35 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らふのすけ | 作成日時:2024年3月10日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。