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水side
コンビニで買ったプリンを持って部屋に行く
さとみくんは先程と変わらずベッドの上、辛そうに咳を繰り返している
「 さとみくん?買ってきたよプリン 」
「 …ぁりがと、、 」
向けていた背中を逆にしてこちらを向いてくれたから、おでこに手を当ててみる
すごく熱いのが分かって、そのまま首にも手を当てれば「冷たぃ…」と彼は呟いた
「 ごめ、 」
「 いゃ。冷たくて、きもちいい… 」
あぁ、そっちか。と1度引っ込めた手でまた彼の首にぴとっと触れる
「 冷えピタ変える?あと氷枕も 」
「 ……食べる、ゴホッゴホ 」
「 あぁ、プリンね。特別にベッドで食べていいって許可も得てきた 」
「 …、おまぇ、ほんと気が利くやつ、だな… 」
何やら凄く素直に褒めてくれるさとみくん。いつも小競り合いばかりしている僕らだから反応に困るな
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「 …、起き上がれる? 」
よいしょと起き上がったさとみくんの背中に枕を押し込んで固定させて、蓋を開けたプリンとスプーンを渡した
「 、、いただきます 」
「 …ぁ、 」
「 ぁ?ぇ、、なに、? 」
「 いゃ…… 」
そういえば、昔風邪ひいた時とかによく兄ちゃんがあーんってしてくれたなと思い出す
けれど、そんなことさと兄にやるのは恥ずかしすぎるし、僕から提案することでもないし…と必死に誤魔化した
「 、、あぁ、むりだ 」
「 え? 」
するとさとみくんはスプーンで掬ったプリンを口に運ぼうとして突然止めた
「 食べさせて 」
「 ……は、い…? 」
潤んだ大きな瞳で僕のことを真っ直ぐと見つめそんなことを言うさとみくん
きっと僕が思い出したのと同じことを思い出したんだろう
「 、、たべれない、 」
いつもより鼻にかかったような掠れた声が、少しだけ甘えるような緩い滑舌で言うさとみくん
まるでぐずった子供みたいな言い方だった
「 ……しょーがないな、 」
風邪引いてなければ絶対断る。だって恥ずかしいし
けど今は、仕方ないなぁと彼からプリンとスプーンを受け取り、「あーん」と彼の口元に差し出した
彼は大口を開けてそのスプーンをパクッと口に入れ、プリンを堪能する
「 ん〜〜、んまいッ、 」
ニコニコの笑顔で言うその台詞を聞いて、悪い気はしなかった
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らふのすけ(プロフ) - たきこみごはんさん» リクエストありがとうございました🙌🏻今後ともよろしくお願いします🕊 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ぽさん» リクエストありがとうございます( ᵕᴗᵕ )多少お待たせしてしまうかと思いますが、気長にお待ちいただければと思います🙇♀️🙏 (5月2日 19時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - リクエストありがとうございます!。最高でした!らふのすけ様のお話大好きです! (4月30日 11時) (レス) @page47 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
ぽ(プロフ) - いつも小説を楽しく拝見しています!リクエストをさせて頂きたいです、黄くんのだいぶ長引いている夏風邪を全メンバーで看病して頂きたいです!その他細かい設定はお任せさせて頂きたいです。お願いします! (4月29日 23時) (レス) id: 46eeb8c8aa (このIDを非表示/違反報告)
たきこみごはん(プロフ) - アンケートやっておきました (4月16日 7時) (レス) @page35 id: 02876b26ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2024年3月10日 2時