寂しがりやの黒猫くん

仲良くなれない。 ページ3

「………。」



「ちょっと、流石に今のは言い過ぎじゃないの?」



何も言えない私を見た那月…怒ったのか、少し強い口調で彼に向かって言う。


だが、彼は涼しい顔をしながら彼女の言葉にこう返した。



「…言い過ぎ?どうしてそうなるんだ、最初に失礼な間違いをしたのは此奴。僕は被害者、そんな失礼な奴に対しての僕の態度、優しい方だと思うけど。」



那月は、ぐっと言葉を詰まらせる。



「那月、私は気にしてないから良いよ…彼の言う通り、悪いのは私の方なんだし。」



まだ納得いかなそうだが、那月は渋々「陽奈子が言うなら…」と、呟く…彼の方は話しはもう済んだと思ったのか、黙々と読書を始めていた。


けれど、次の瞬間。



「…あっ!ち、ちょっと返せよ…瑠可!」



黒縁眼鏡をかけた、ツリ目で綺麗な顔立ちをした男の子が、本を取り上げた。


そして取り上げた本で、彼の頭を一発叩くと大きな溜息を吐く…ガスっと痛そうな音がして、叩かれたわけじゃないけど、私まで頭が痛くなる。



「紬…お前な、少し言い方がキツいぞ。彼女だって、悪気があったわけじゃないんだから…。」



彼は紬という名前らしい。


それにしても、黒縁眼鏡さん…強いな。

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