寂しがりやの黒猫くん

隣の席になりました。 ページ2

友達が出来たのは嬉しい。


けど、私には気になることがある。


それは、私の隣の席に座る人が誰なのかということだ…誰も座っていない、空っぽの席をチラッと見る…もしかして、休みなのかな?



「陽奈子の隣、誰も座ってないけど誰なんだろ?」



「私も分からない、休みなのかな?」



那月の問いにそう返した私。


もう少しで担任が教室に入って来る、確か…まだ教師になって3年という若い先生だったかな。


そんなことを考えていたら、隣の椅子を引いて誰かが座った。



「………?」




––誰だろう?




気になって隣の席を見る。


座っていたのは、まるでお人形のように可愛い子だった。


艶やかな黒髪にパッチリとした二重に、長い睫毛…思わず見惚れてしまうが、私は気づく。



「…お、男?」



最初は分からなかったけど、その子は男子用の制服を着ていたのだ…女の子でも、ズボンを履く子はいるけど。



「……なにお前、いきなり変なこと言ってさ。変人?」



はい、男子でした。


しかも、物凄い迷惑そうな表情で此方を見ている。



「オマケに人のこと見て『男?』って…まさか女だと思った?…あー…こんな失礼な奴が隣とか、僕の学生生活終わったな。」



…どうしよう、言い返したいけど何も言い返すことが出来ない、失礼なことを言ったのは事実だから。

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