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ここに来て、丁度一週間。
私はいつも通り顔を洗い、水干着に着替えて食堂へと向かった。その途中に池田君と会った。
「おはよう、不知火・・・。」
「池田君、おはよう。早起きだね。」
「別に・・・お前も今から朝飯食うんだろ?」
「うん。池田君も?」
「あぁ。だから、その・・・一緒に・・・」
「ッツ!?危ないっ!!」
私は池田君を引き寄せ、抱きしめた。
それと同時に、潮江君からもしもの時のために持たされていた“苦無”で飛んできた手裏剣を弾いた。
「今、手裏剣打ったの誰?」
食堂へ繋がる廊下。
忍術学園の生徒が何人もいる。
私がそう問うても返事はない。
「誰かって聞いてのが分かんないわけ?」
「し、不知火・・・!」
「完全に今、私じゃなくて池田君を狙ったよね?もう一度聞く。この手裏剣を打ったのは誰?」
そう言うと、一人の男が私の前に姿を現した。
「俺だけど。」
「くっ、久々知先輩っ!?」
池田君は彼を見た途端、急いで私の後ろに隠れた。
彼と何かあったのは間違いないな。明らかに昨日の三人に対してよりも怯えている。
「どうして池田君を狙ったの?」
「そんなの決まってるだろ。池田が天女なんかといるからだよ。なんで天女なんかといるんだよ!?お前は俺より天女を選ぶのか?俺がどんな気持ちで・・・!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
そう何度も謝る池田君。
今は彼から池田君を遠ざけないと……。
「一応言っておくけど、私天女じゃないから。それと手裏剣を打ってくる貴方より、私といた方が余っ程安全だと思うんだけど。」
「天女の分際でうるさいんだよっ!!」
懐から取り出した苦無を思い切り私に振りかざしてくる彼。
そんな彼の苦無を私は手で鷲掴み、自分の苦無を彼の首に押し付けた。
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作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時