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「これで終わりだっ!!」

「「ッツ!!」」

「っつあぁぁぁぁぁぁあ!!」

「し、不知火さんっ!!」

「チッ、おい女!邪魔すんじゃねえよ!」

何とか間に合った私だったが、伏木蔵君たちを庇ったことにより、その手甲鉤は私の背中を思い切り引っ掻いた。私は痛さのあまり、膝から崩れ落ちた。その武器はまるで猫の爪のよう。だが痛みは猫に引っ掻かれたような生易しいものではない。次第に服に血が滲みだし、どくどくと脈打つのを感じた。

「はぁ・・・はぁ・・・っつ・・・」

「女、そこを退け。今退けば、お前の命くらいなら助けてやってもいい。」

「い、やだっ!」

「・・・そうか。」

「あぁぁぁぁぁあっっ!!」

男は私の背中を足で踏みつける。
私は息が止まりそうになった。
血は更に溢れだしてくる。
涙も止まらない。
痛くて、痛くて、こんな痛みを味わうくらいなら、いっそのこと殺してほしいとさえ思える。

「もうやめてくださいっ!!貴方の目的は僕でしょ!?僕はどうなったって構いません。だからもう、不知火さんに酷いことしないでくださいっ・・・!」

「ふし、きぞっ、くっ・・・」

「最初から素直に捕まっていれば良かったものを。」

男は私の背中から足をおろし、伏木蔵君に手を伸ばす。

「だめっ!!」

私は最後の力を振り絞って、男の手に噛み付いた。

「痛っ!!くそっ、離せ!!」

男は私の顔を殴る。
頬がじんじんする。
だけど今は痛みなんてどうだっていい。
伏木蔵君たちを守らないと。

「嫌っ・・・嫌だっ・・・不知火さんから・・・A先輩から離れろっ!!」

「なっ!?」

身体を震わせ、涙をボロボロと流す伏木蔵君。
怖くて仕方ないはずなのに、伏木蔵君は男に体当たりをし、小さな手で何度も男を叩く。

「このガキっ!!」

男は伏木蔵君の頭を鷲掴み、そのまま地面に叩きつけた。

「気が変わった。」

あれは苦無……?

「やめてっ!!」

「死ねぇぇぇえ!!」

男の苦無が伏木蔵君の腹部に突き刺さる。
そして男が苦無を思い切り引き抜くと、その部分から血が溢れ出した。

「なん、で・・・ど、しよっ・・・」

守れなかった。
何も、できなかった。
見ていることしかできなかった…。

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 天女 , シリアス   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時

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