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不知火と少し話した後､不知火は不破先輩たちのところに戻ると言った｡だけど僕はまだ不知火と話していたかった｡だから僕はやっぱり天女なんじゃないかと不知火に聞いた｡だって僕よりも上級生を取るから……｡
そう言うと不知火は､僕も一緒に食べないかと聞いてきた｡もちろんそんなの無理に決まってる｡だって先輩たち怖いし､何されるか分からない｡
“池田君がそう思うようにあの三人だって､たくさん悩んで､どうしたらまた下級生たちと仲良くできるか考えてると思う”
“上級生がみんな卒業するまで､ずっと今の関係を続けていくの？”
だけど不知火にそう言われて､僕は嫌だと思った｡だって先輩たちにまだ教えてもらいたいことたくさんあるから｡でもやっぱり僕は怖いんだ……｡
“私が池田君のことを守るから”
不知火は僕の頬に手を添えてそう言った｡僕はその言葉にひどく安心してしまった｡
不知火の真っ直ぐな瞳が､力強い声が､温かい手が､僕の全てを包み込むようで。
僕は泣きそうなのを我慢した｡本当は誰かにそんなふうに言ってもらいたかったんだ｡前の天女が天に還ってからも､毎日不安で仕方がなかった｡上級生を見かける度に逃げた｡逃げて逃げて逃げて。それでも僕は心のどこかでまた､前のように先輩たちと話がしたいと思ってたんだ。
そして不知火は僕の手を引いて､先輩たちの席まで向かった｡
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作者名：ずみ | 作成日時：2019年11月2日 17時
