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「作兵衛?」
「作兵衛、話を・・・」
「うるさいっ!!」
「「ッツ!?」」
「なんでお前ら天女なんかといたんだよ!俺がどれだけ心配したか分かってんのか!頼むから、俺のそばからいなくならないでくれっ・・・!俺はお前たちを失いたくないんだっ!」
あぁ、泣いちゃ駄目だ。
俺がしっかりしないと、俺がこいつらを守ってやらないと、俺が……!
「作兵衛、もういいよ。」
「な、何言って・・・」
「作兵衛、お前にはすごく感謝してる。いつだってお前は俺たちのことを一番に考えてくれるし、いつも迷子になる俺たちのことを文句を言いながらも探し出してくれる。」
「あの時だってお前は必死になって探し出してくれた。もしも作兵衛が見つけてくれなかったら、僕たちは本当に死んでいたと思う。」
「俺たちだって作兵衛と同じように天女は嫌いだ。でも不知火は前の天女とは別人だ。見た目も歳も性格も。全てが違う。」
「お前ら・・・」
そんなにあの天女がいいのか?
あいつだって前の天女と同じだろ?
なぁ、なんでだよ……。
俺が間違ってるって言うのか?
「作兵衛、一度だけでいい。」
「不知火と話してみてくれ。」
「絶対すぐに不知火がどんなやつか分かる。」
「僕たち、人を見る目だけはあると思うんだ!」
「野生の勘、ってやつ?」
「はっ、なんだよそれ・・・」
……こいつらがここまで言うんだ。
あの天女は俺が思っているほど、悪いやつじゃないのかもしれない。
「分かったよ。今度会ったら話してみる。」
「作兵衛!」
「うおっ!?いきなり抱きつくなよ。」
「なぁそろそろ食堂行かね?」
「あっ、忘れてた!作兵衛、行こう!」
まあこいつらが笑ってるならそれでいいか。
「おうっ!って、食堂はそっちじゃねぇ〜!!」
やっぱ最後はこうなるんだよな……。
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作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時