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草むしりを終え､三反田君にお礼を言った後､私は吉野さんに報告しに事務室へと向かった｡
｢吉野さん､草むしり終わりました。｣
｢もう終わったのですか？思っていたよりも早かったですね。｣
｢三年の三反田数馬君が手伝ってくれたんです。｣
｢なるほど･･･。｣
｢あの吉野さん。｣
｢何ですか？｣
｢明後日は事務の仕事をお休みしてもよろしいですか？｣
｢理由は？｣
｢一年ろ組の子たちにピクニックに行こうと誘われまして･･･なのでお休みをいただけないでしょうか？｣
｢ふむ､そういう理由であれば仕方ありませんね。明後日はお休みしても構いませんよ。｣
｢ありがとうございます。｣
私は吉野さんに一礼し､事務室から出た｡
とりあえず､食堂へ行こうかな｡
今日は草むしりのせいで､お昼食べ損ねたし……｡
｢｢食堂はどこだー！！｣｣
何やってるの､あの二人……？
腰に縄を巻いている二人の男の子が､何故かずっと同じ場所をぐるぐる走り回っている｡
あの二人､食堂はどこだって言ってたよね？まさかあの二人､食堂に行こうとしてるの？でもあの様子じゃ､一日かかっても無理だと思うんだけど……｡ていうかここの生徒なのに､食堂の場所分からないの？しかもあの色､三反田君と同じ……｡
……声､かけるべきかな？
｢あぁー！！｣
｢お前､新しい天女だろ！！｣
｢こんなところで何してるんだ！！｣
｢お前も迷子か！！｣
いやそんなこと君たちには言われたくないよ｡
むしろ君たちこそ何してるの？
それに迷子なのは君たちだから｡
｢あっ､そうだ。食堂の場所教えてくれ！｣
それ私に聞くんだ……｡
｢いいよ。丁度私も食堂に行くところだから。｣
｢そうなのか！それは助かる！｣
｢それじゃあ､出発〜！｣
｢ちょっと待って！食堂はそっちじゃないからっ！｣
何なのこの子たち！？
方向音痴なの！？
いやこれを方向音痴なんて言葉ですませてもいいの！？
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作者名：ずみ | 作成日時：2019年11月2日 17時
