大型犬、お勉強してみた ページ25
sgi side
『あーっ!金額が合わない!』
先程まで一緒に【QuizKnockと学ぼう】をいずみんと収録していたけど、時間内に終わらなかったところがあるらしく、隣で電卓をぱちぱち叩いている。
sgi「いずみん、乱れ気味だね」
『須貝さーん…、ここの金額が一生合わない気が…』
そう言って手元を覗いてみると、よく分からない漢字の羅列と桁が多い数字。
かろうじて読み取れたのは現金…?土地?建物?言葉自体は知っているけど彼の専攻でこの言葉がどう意味を持っているのかはよく分からない
sgi「んー、わからんなぁ」
『検定受けようと思って久しぶりに引っ張り出したら…』
sgi「あー、そういえば商学部だったね」
『あー、1年生の時にもう1回検定受ければよかった〜』
sgi「簿記の検定?」
『そうです…3級は持ってるんですけど、2級受けてないから』
sgi「へー、全く俺にはわからんけど、頑張れ!」
とりあえず形だけでもということで応援して見たけど、ずっと電卓のACのボタンを推し続けている。
『あー、思い出せない…』
とりあえず彼の目の前に座り観察してみる。右手でペンを握り左手を電卓に置いて、ブラインドタッチするかのようにキーを見ずに電卓を叩く。
さすが商学部といった電卓使い。長くて多い漢字を紙に書いて、隣に数字を書いていく。
今まで、会計?簿記?というものに触れてこなかったから、彼が何をしているのか全く分からないが、難しいことをしてるのは分かる。
『あっ!こうだっ!あー思い出した!』
突然閃いたように席をたち、顔を上げるいずみん。突然立ち上がるものだから、俺も驚いちまった。
sgi「うおっ!びびった〜」
『わっ、ごめんなさい!』
sgi「求め方わかったの?」
『はい!思い出せました〜!』
分かったのがよほど嬉しかったのだろう。めっちゃ笑顔でニコニコ話すいずみん。イケメンなのに可愛いな、俺もたって、少し自分より高い位置にある頭を撫でてやった。
『へへっ、ありがとうございます!』
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作者名:重曹 | 作成日時:2021年9月23日 23時