あの陽の差す方へ (ページ12)

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13の夏ページ12

ニノとの出会い、それは13の夏だ。

当時私は、みんなと一緒にレッスンしていなくて。

「女だから」ってバカにされたり、物を隠されたりしていたっていうのもあるけど、

この中で生き残っていくには、私だけの何かをしなきゃいけないと思っていた。
　

だから、ジャニーさんに頼んで声優のレッスンを受けた。

講師の方がレッスンしてくれるけど、とにかく自主練をして。

　

あの日も、いつも通り講師の方からレッスンを受けて、その後自主練をしていた。

その時、ドアが開いて。

「何してんの？」と、彼が入ってきた。

誰かが入ってくるなんて思ってなかったし、私は驚いて動揺した。
　

そんな様子をみて彼は、

「あっ…きれいな声が聞こえるなって…」と、言った。

「…ありがとうございます……」と私が言うと、

「レッスン見せてよ」と言い、床に座って私を見てきた。

初めは、「何が面白いんだろう…」とか「バカにするつもり…？」とか思っていたけど。

帰り際に水をくれたり、話を聞いてくれたりして、
いつの間にか一緒に帰る仲になっていた。

今でも、何で当時声をかけてくれたのかはわからないけど。
　

こうして、同じグループで活動出来てるのは、

あの日がきっかけなんじゃないかと思っている。

ありがとう、ニノ。