番外編10 エースとおしゃべりｰafter ページ49
「…ねぇね…っねぇね！」
「んんんんっ！可愛いっ」
Aはがばっと顔を抑えた。
「……でもねエース、ねぇねじゃないわ、
私のことはAって呼ぶのよ」
「う〜？」
「そ、そんな顔しても駄目だから…」
上目遣いで不思議そうな顔をするエースに悶えるAに、ダダンも不思議そうに言葉をなげかけた
「呼ばせてやりゃあいいじゃねえか。
…実の姉弟だろ？」
すると、Aはすっと表情を消し、エースの頭を撫でながら、その先を見通すように目を据えた。
ダダンは黙った彼女にまた疑問符をうかべる。
「…おい？」
「…もちろん、呼んでもらいたいわ。
でもね、私がエースの世話を焼いているのは、血の繋がった姉弟だからと、義務だからと納得して欲しくないの」
「…！」
「血の話をすれば他人から絶えず与えられる罵詈雑言
…そんな自分に与えられる親切が、真実であるのかそうじゃないのか、私だって判断がつきかねた
………、幼くして簡単に出来ることじゃない。
特に、生まれながら嫌悪の対象になるような私達は、外で受けた暴言を素直に受け、そんなひねくれた考えになることが多い」
急に難しい顔をするAに、エースは不安そうに一声あげた
だが結果は彼女の優しい笑顔ではなく、ただ頭を撫でる手が与えられるだけだった。
「嘘をつくのは忍びないけどね
私は…エースが他に深い愛を得られるまで、無償の愛を理解してくれるような歳まで
実の姉であることを隠そうと思うわ。」
やっと慈愛のこもった笑顔を向けられ、エースは満足そうに笑った。
しかしダダンの方ではより難しい顔をするのである
…だが理解できない話ではなかった。
「…おめぇがいいなら、いいさ
エースの保護者はお前なんだからな。」
「ダダン、本当に感謝してる。
…あなたが私の友達で、本当に嬉しいわ」
急な褒め言葉にダダンはたじろいだ
そんな様子にまたAは笑う。
エースを抱き上げ、頬にキスし、じっと、世界中のどんな母親にも負けないような愛の眼差しで赤子を見つめた。
「エース、私はあなたを愛してる。
姉だからと言われれば…否定はできないけど、それは義務なんかじゃない
この心はとても自由で、嘘がないことを、ここに誓うわ。」
言葉の理解できない赤子は、それでも嬉しそうに笑った。
…そして、再び明かされるその時まで
Aがエースの前で姉と名乗ったのは
これが最後となった。
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ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます！！ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです！今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2019年8月26日 11時) (
レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません！感想すごくすごく嬉しいです！！気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました！凄く面白くて、読んでいてワクワクしました！続編、お待ちしてます！ (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです！続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます！この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます！続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2019年6月24日 23時
