【ONE PIECE】海軍大将は海の女神も務めます陸【ロシナンテ】

251話 ページ17

｢…にしても兄妹全員で見送りなんて…なんか申し訳ないわね｣

空も薄暗くなり、私は帰るために港に出ていた。

｢皆、お前のことを好きだということだ。



………俺は一際、その念が強いがな｣

1歩私の前に出てきたカタクリは名残惜しそうに私の髪に触れ、口付けた



｢…、キザだこと。｣


小さく声を立てて笑い、大勢を見渡した。









……ここは、私が好きな部類の愛に満ちてる。



あの子供のような母親を…みんなで支え、それぞれを兄妹として愛してる



狂気にも満ちてるって？
…この私にさえ、その狂気はあとをついてまわるのよ。




この場所が家族で構成されていることで、ほかにはない絆を感じた。






｢…私はまたここに来る、必ずね





大好きな甘いお菓子と、あなた達友人に会いに｣


そう言い、私は翼を広げ、藍色の空へと飛び立った。





ーーーーーーーーーー


あとに残されたビッグマム海賊団のメンバーは、あの大きな翼がかすみ見えなくなるまで見送りを続けた。


それを終えると、男衆から肩を叩かれたり小突かれたりされ不服の表情を見せたカタクリは振り向いた。



｢…カタクリ、お前だけがAに滅入ってると思うなよ｣
｢ダイフク。｣

小突いていたオーブンが次に口を開く

｢…………それに…俺たちはママのための結婚を余儀なくされるんだ。



焦がれて塵になるんだったら…逃げられるうちに諦めた方が身のためだぞ｣


しばらく二人と、その他大勢の兄弟達を見つめ…カタクリは目を伏せた






｢…会った瞬間から、







手遅れだ。｣



ーーー俺も、お前らもな。



続けたその言葉に、男女関わらず肩を揺らし、皆でまた、彼女が飛び立った空を見つめた。

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