【ONE PIECE】海軍大将は海の女神も務めます陸【ロシナンテ】

249話 ページ15

ーー
｢ママ？！どうしたんだ！｣

けたたましい泣き声を聞き付け、長男ペロスペローを筆頭に、ビッグマムの子供たちが広間に押し寄せてきた


…しかし









…………目の前の光景に




彼らは呆然とした。






｢…ーー母の 腕の中 眠る 幼子

母は 去らぬ あなたのために

唄い 撫で 額に 口付けを…ーー｣



美しい歌声、美しい…『女神』が、そこにあった。



｢…な…？｣





さらに、その女神は、巨人並の自分たちの母親を包み込むように大きく

幼子を愛しむ母親のように、シャーロット・リンリンの頭を撫で、子守唄を歌っていたのだ。


撫でられている本人は既に泣き止んでおり、うっとりと甘えるようにその唄に聴き入っていた。





ほろ…っ


｢…へ？…なんで、涙が…｣
｢俺も…なぜ…｣



その歌を聞いていた子供たちは、涙を流しはじめた



……実の母親より母の愛を感じるその女神の歌声に、感化されてしまったのだった。









ーーー唄が終わるまでには一人残らず女神の愛の魅力に落ち、
陶酔するかのごとく彼女を見つめ、男女関係なく顔を赤らめていた



｢…あら、あなた達もいたのね｣



『海の覇者』を解いたAは、涙を流しているビッグマム海賊団の皆々に微笑みかけた。




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すっかり正気を取り戻したビッグマムとその子供たちは、Aを前にもう警戒心を持たなかった。


あの瞬間、一人残らず心の奥底までAという大木に根を張られ

もはや、Aの存在なくしては満たされぬほどとなってしまったためである。


ーーーーーー


今は場を取り直し、紅茶をもういっぱい頂いている


｢……私は、大のお菓子好きとして、あなたの友人になりたいのよ。


あなたの友人でいる間は、大将白竜では無い

Aと呼んでちょうだい｣

｢ああ、ああもちろんさ！！

俺の事も、是非リンリンと呼んでもらいたいもんだね！｣

食い気味に、嬉しそうにビ…リンリンは答えた

｢ママがここまで気に入るなんて…｣
｢ママの暴走をこんなにあっさりとめられたやつは初めて見たよ｣


さっきは話しかけもせず警戒していた子供たちの方も、気軽に話しかけてくれる。


｢ふふ、けど気をつけて、私は今はただの友人


…大将としての職務に戻れば敵になるんだからね｣

｢…まあ、しかたのないことさ


俺もお前も、よっぽどのことが無い限り互いに手は出さねぇだろう

お互い存在が大きすぎる。｣

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