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不安の中始まったその日は気の休まることが無かった。




『うわ!懐かしい!これ好きなんよ!わかってんなー!』



ごめん、君がかき氷好きなの知らなかったよ。



適当に病院に近いところ選んだから。




「行きたいところにないの?せっかく晴れてるんだから。」


『えー?強いて言うなら…どこか遠い場所に行きたい。』



どくっ…


奴はただ外に出たいだけかと思っていた。


僕は怖くて見ないふりをしていたんだ。


自分に奴を連れ出す勇気がなくて…



目の前にいる奴は、残り少ない儚い人なんだと。



「次!」

『(。´・ω・)ん?』


「次は!もっと遠いところに行こう。電車に乗って…海とか行こう。」



僕は口走ってしまった。


奴はニヤッと…でも嬉しそうに笑っていた。



『楽しみにしてるよ。』









弱い自分の心に打ち勝つのと




奴の余命が尽きるのは






どちらが先だろうか。

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設定タグ:病気 , 感動 , 友情   
作品ジャンル:泣ける話, オリジナル作品
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年12月6日 0時

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