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「はい。マリーゴールド。言われたとおり買ってきてあげたよ。」
『うひょー!!ありがと!はい、お駄賃あげるねー。』
本来なら下校中の買い物は禁止なはずなのに…
『そう言えば、君って友達いないの?』
「君のせいでできないって言ったら?」
『あー、いないんだー。かわいそー。』
全く、話を聞かないのか?聞こえてないのか?
「君ももうすぐ死ぬなら友達と…あっ。」
言ったら行けないことを言ってしまった。
あまりにも無神経すぎた。
「ごめん。」
『ん?え、あ、いいよ!いいよ!別に死ぬことには変わりないんだから!』
『今更何言われても生きらんねーよ!あははっ!』
僕は何かを悟った。
奴の笑顔に貼り付けられた何かを。
性別も明かさない。本性も明かさない。
オープンなようでミステリアスだ。
『でも、死ぬ前くらいはみんなに会いたいな。』
『サッカーもしたい。小学校からずっとやってないや。』
遠い空を見上げたながら言う。
叶わないとわかっているのに、まるで神頼みするかのように。
『1回でいいから外国に行ってみたかった。ディ〇ニーも。』
『悔しいな…』
『まっ!残りの人生楽しくいこうぜ!』
無理やりな笑顔がなんて上手なんだろう。
何も感じさせない普通の笑顔。
僕は
何を言ってあげたら良かったのかな。
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年12月6日 0時