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「…どんな顔すればいいの。」
『さぁ?普通にしとけば?』
1+1も答えられるくらい当たり前の様に言う彼女に気が引ける。
『これからは時間がある時は必ず来てねー。』
「なんでだよ。」
『最後の時間くらい友達と一緒にいたいじゃん!』
「僕といつ友達になったの。もっち一緒に居るべき人がいるんじゃないの?」
『何言ってんだが。』
はぁとため息を着く。
『君と自分はもう友達。新しい友達が欲しかったの。』
こいつの考えはまるで理解が出来ない。
普通、最期は大切な人と一緒にいたいものだろう。
最期まで新しい世界を見ようとする奴か。
つくづく僕と合わない奴だ。
まだ僕は手に汗を握っている。
死んでしまう人と関わるのが怖いから。大切な人になって失うのが怖いから。
自分のためにも関わりたくない。
『あ、これはクラスには秘密ね。先生は知ってるけど。』
「なんで?」
『余命ってだけで人はみーんな可哀想って思うでしょ。それが嫌なの。』
「僕も大分可哀想と思ってるよ。」
『·····まあまあまあ。』
「まあまあじゃないよ。」
『とりあえずよろしくな!翔平!』
差し出されたては色白く細かった。
「はぁ……」
ここで断っても無理やり握手する羽目になるだろう。
素直に握手を交わした。
「面倒だな((ボソッ…」
『はぁ?そんな事言うなよ!寿命縮むよぉぉぉ!!』
「ほんとにめんどくさい。」
無駄に明るく、うるさい。
看護師さんが入ってくるタイミングを見て
病室を出た。
バレないように出よう……
『明日も来てよね!!翔平!!!』
大声で僕に声をかける。
ギョッとして振り返ると看護師さんにしーっとされている奴を見た。
・
「先生、学級委員長辞めたいです。」
「ダメー。」
少し···結構先生のことを恨んだ。
そして、あいつの性別は絶対に教えてくれなかった。
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年12月6日 0時