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年が明けた。

街は正月で気分だ。

僕もお年玉を貰って、内心少し嬉しかった。

おせちは美味しいし、外の空気は冷たくて美味しい。

でも、



なぜか少しだけ




色あせていた。




あの日、光は帰らぬ人となった。


あの後、看護師さんとお医者さん達が駆け込んできた。

延命治療をしてるにも関わらず光の体は限界を迎えていた。


「あと少しだけ...」そんな気持ちからお医者さん達の懸命な治療が続いた。


時間も遅かったので、親に迎えに来てもらい僕は家に帰った。


不安で泣いてばかりだが、いつの間にか寝てしまった。


朝、母の階段を上る音で目を覚ました。

だけど目は開かなかった。

もしかしたら助かってるかもしれない。

病院が空いたら朝イチに行こう。

そう考えていた。



ガチャ


母「光ちゃん、天国に行ったって。」

母の少し鼻が詰まったような声で伝えられた事実。



もう会えない。


腫れた目からまた涙が溢れ出した。


次の日、お葬式に呼ばれた。

冬休みに入ってから着ていない冬服を着て葬式場に行った。

線香の匂い。花の匂い。

いつぞやあっただろうかの光の両親。


光父「君は...よく光の見舞いに来てくれてた翔平くんかい?」

『はい。』

泣くことを我慢してあまり喋ることは出来なかった。

罪悪感があった。

最後にあったのが僕であったこと。


光母「ありがとう。光と仲良くしてくれて。どうか会ってあげて。」


『はい。』

やつの遺影を見て、ひとつの謎が解けた。

やつは女性だ。

女子制服を着たボブの少女。

最後まで隠しやがって...

そして、光にあった。

いつもより青白い肌。今にも行きそうなように眠っていた。

『おい、何してんだ。次は海に行こって言ったじゃんか。』

こんなこと言ってもやつは起きることは無いのにな...












「あけましておめでとう。」

友達にそう挨拶して冬休み明けの教室に入る。

完全に受験モード。

掲示板には受験合格を願うたくさんの人からの応援。


そして、光の席に小さな花瓶。飾られたマリーゴールド。

そういえば、自分に似てるって言ってたな。マリーゴールドのこと。

「ねぇ、」

友「なに?」

「マリーゴールドの花言葉って何?」

友「えーっとねー、絶望...嫉妬...」

聞いた感じマイナスなものしかない。

どういうことだ。

友「あ!そうそう、これもだ!」


「絶望を乗り越えて生きる。」

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設定タグ:病気 , 感動 , 友情   
作品ジャンル:泣ける話, オリジナル作品
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年12月6日 0時

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