1章 「君」 ページ1
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ただ何となく学級委員長になった僕。
陰キャやヲタクによくある「黙ってたら学級委員長なってた」ってやつだ。
まぁ、頭は悪くもないし、正直面倒見はいい方だ。
中学三年生で学級委員長をやるのは入試の時にも生きてくる。
そんな学級委員長の初めの仕事はとても簡単なものだった。
号令、係決め。
そして、クラスメイトのお見舞い。
先生から告げられたなんとも有難くはないお言葉。
「学級委員長として。」
顔すら合わせたことの無い入院中のクラスメイトに会って何を話せばいいんだか。
しかも、これは入院してる奴からの要望らしい。
放課後、なんと話せばいいのかモヤモヤしつつ
メモに記された病院に向かった。
結構デカい総合病院。
春とは言え一応受験生。
帰って勉強をしなければならない。名前だけ行って帰るか。
いや、失礼か?
そんなことを考えながらまたメモを見ながら病室を探す。
「301号室 小峰 光」
こみね··ひかる?ひかり?
なんて呼ぶんだ?
ていうか、先生女子か男子か教えてくんなかった。
病室の前に立ってノックをした。
個室?そんな重い病気なのか?
『はーーい!!』
中から元気な声がした。
ガラガラ…
そこには点滴をぶら下げ、ニット帽子をかぶったロングの少女がドアの手前まで来ていた。
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年12月6日 0時