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Aside
コンコン
『はい。』
平日の昼間部屋にノック音が響く。
ガチャっとドアが開き、申し訳なさそうに入ってきたのは
さとみくんだった。
さとみ「ごめん、なんかしてた?」
『いいえ、何も。任務ですか?』
さとみ「そう。俺との協力任務。」
ぐっと力こぶしを作るふりをするさとみくん。
ほんとに筋肉あるから出来てるけど。
さとみ「俺と夫妻としての潜入だけど…大丈夫?」
何か問題でもあるのだろうか。
さとみ「腕とか組まなくちゃ行けないんだけどさ。A、嫌だったりしない?」
ふと、頭によぎる苦い思い出。
腕を強引に引っ張られ移動させられていたっけな。
腕を静かに握りしめた。
でも…さとみくんだし。
『問題ありません。』
莉犬くんやなーくん3人でソファに座った時
るぅとくん達と手を繋いだ時
あれは、金木犀ではなかったから平気だけど。
腕を組む。
手首に手錠をつけられて腕を組み連れ回された。
何度も何度も嫌な記憶がフラッシュバックする。
さとみくんが出ていったあと
「さとみくんだから大丈夫。」
「過去のことだから。」
そう言って
何度も何度も
自分を偽った。
_______
ななもり「はい、Aはこれ着てね。パーティー会場への潜入だからね。」
露出度が少ない青いオシャレなドレス。
着替えて髪をアップにした。
感情はないくせに
どうしてこんな恐怖だけは覚えているんだろうか。
さとみ「いける?」
『はい。』
黒いスーツに身を包みオールバックにしたさとみくん。
よく似合っている。
みんなに見送られて会場に向かった。
隠しナイフを確認しながら、まだ恐怖で顔が引き攣る。
さとみ「大丈夫?」
『はい。』
声すら出すことが辛かった。
これで手を振り払ってしまったら
嫌われてしまうのだろうか。
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Ri_(プロフ) - @雨粒(`・∀・´)@推しを笑顔に!!さん» ありがとうございます!とても嬉しいです(´;ω;`) (2020年9月24日 19時) (レス) id: b730aebedb (このIDを非表示/違反報告)
@雨粒(`・∀・´)@推しを笑顔に!!(プロフ) - めぇぇっっちゃ好きです!こういう系好きなので…好きな作者さんが作ってくれて嬉しいです!応援してます! (2020年9月24日 17時) (レス) id: bf4b9d8135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2020年9月13日 21時