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「げ、とはなんだ。そしてその手を早く離せ。自分がどのように見えているかわかっていないのか」



私が竈門くんをなでなでしたらよくないと。
ごめんなさいねぇ。



「竈門、お前はそのピアスをいつになったら外すつもりなんだ。俺だから見逃してやっているがもしこれが冨岡だったら竹刀で殴られているぞ。まぁ、それであいつが他校なり教育委員会なりに飛ばされるなら願ったり叶ったりだが……」

「ちょっと、冨岡先生の悪口言わないでよ!」

「そして我妻、お前は生徒にも冨岡にも甘すぎる。少しは自分の甘さを省みろ」

「そ、そんなことないし!わたしだって、ちゃんと、しゃきっと?してること、ああるんだからね!?」

「はっ、まずはその無いに等しい語彙力を精々養うことだな」

「なっ…なっ…」



言い返す隙もないままスタスタと職員室に入って自分の席に座ってしまった。


え、まって私ってこの人のどの辺が好きなの?


竈門くんも竈門くんでめちゃくちゃぽかんとしてるし。



「ごめんねぇ、伊黒先生厳しいよね、誰にでもあんななの」


すると、竈門くんは私を見てにこっと笑った。

えっかわいい。けどなんの顔それ。



「仲良しなんですね」

「え?」



仲良し?私と小芭内が?

今のでなんで仲良しだと思った?
反目の具体例みたいな会話じゃなかった?



「我妻先生と伊黒先生からはそういう匂いがするんです」

「に、におい……?」

「あっ、ごめんなさい。いきなり匂いとか言われても気持ち悪いですよね、忘れてください」



もしかして、竈門くんもそういう類の超能力者だったりする?心読めちゃうタイプ?



「とにかく、俺は応援してますから!」

「なんのこと!?」

「えーっと、こんなこと言っていいのか分からないですけど……」



少し口ごもったあと、竈門くんは少し背伸びをして私の耳元に口をちかづけた。



「伊黒先生のこと、好きなんですよね」

「へっ……」

「大丈夫、きっと上手く行きますよ」



ガッツポーズをしてから「じゃ!」と手を振って走り去っていく竈門くんを呆然と見ていた。



「嘘すぎじゃない!?」



なんで生徒にまでバレてんの。




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和加 - 声出して笑ってしまうんですが。面白すぎです笑 (2021年2月3日 6時) (レス) id: 263e001d98 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2020年12月25日 15時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
モブちゃん - キャァァァァァァ!キュンキュンするわ!伊黒さん、お幸せに! (2020年12月25日 7時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みゆきだいふく(プロフ) - 深紅さん» すみません爆笑しましたwwwwwww (2020年12月23日 21時) (レス) id: a48323ed49 (このIDを非表示/違反報告)
深紅(プロフ) - 私の中でLove so sweetが流れた (2020年12月23日 20時) (レス) id: 1de38023e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゆきだいふく | 作成日時:2020年12月2日 1時

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