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「へっ…」


今なんて言った?

結婚、しようって言ったの……?
うそ、そんな、え、

胸元のリングに指を添えてみる。
夢、なのかな。

でも背中に当たる小芭内の感触は暖かくて。
私の目からはポロポロとただ涙だけが零れた。


「ぅ、ぅ、うわぁぁぁん、っう、」

「A…?」


泣きじゃくる私におろおろしながら「どうした」「気に触ったか」と聞いてくる。

そんなわけないでしょ。
嬉しくて、嬉しくて死んじゃいそうなのに。

振り返って小芭内のワイシャツを掴んだ。
こういう時、なんて言えばいいんだろう。


「……すき、」


好き、もうどうしようもないくらい好き。
「俺もだ」と優しい声が頭の上から振ってくる。


「返事は、今聞いてもいいか」


『さっきの返事だが、今すぐでなくていい。じっくり考えてから……』そうやって自信なさげに俯いていた彼は変わった。

私がわざわざ遮らなくても、自分自身を否定する言葉を使わなくなった。

この人に想われているんだと改めて思うと、胸の底からじんわりと幸せが湧き上がる。





「私も、小芭内のお嫁さんになりたい」




いっぱい喧嘩しよう、その度に謝ろう。
些細な幸せを分け合おう、ずっと一緒にいよう。




「しよう、けっこん」





言ってしまってから小芭内の顔を見上げると、自分から言いだしたくせして呆気に取られたように目をぱちぱちとさせていた。



「なにびっくりしてるのよ」

「あ、いや、その…」



元々の下がり眉をますます下げてから、小芭内の目じりからほろりと涙が伝った。そのままポロポロと頬を水滴が伝う。



「えっ……ぇぇぇええ、どうしたの小芭内!?うそ!!泣いてる!?」



小芭内の泣いているところなんてここ数年、いや10年以上見たことがなかった気がして、私は心底驚いた。

うわぁんよしよし、と頭を撫でてやると、片手で顔を覆ってしゃがみ込む。




「すまない、嬉しくて」




目を合わせたくて私もしゃがんだ。
目の前に、すぐ触れられる距離に大好きな人がいる。

2人とも涙でぐちゃぐちゃだけど、それも私たちらしくていいや。




「愛してる」



「えへへ、私も」








私と○○できないくせに! fin.




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和加 - 声出して笑ってしまうんですが。面白すぎです笑 (2021年2月3日 6時) (レス) id: 263e001d98 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2020年12月25日 15時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
モブちゃん - キャァァァァァァ!キュンキュンするわ!伊黒さん、お幸せに! (2020年12月25日 7時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みゆきだいふく(プロフ) - 深紅さん» すみません爆笑しましたwwwwwww (2020年12月23日 21時) (レス) id: a48323ed49 (このIDを非表示/違反報告)
深紅(プロフ) - 私の中でLove so sweetが流れた (2020年12月23日 20時) (レス) id: 1de38023e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゆきだいふく | 作成日時:2020年12月2日 1時

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