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「すまない。もう少しだけこうさせてくれ」


聞いていて全身が熱くなるほどに真っ直ぐな独白。
それが耳元で鳴り響くのを、私はずっと泣きながら聞いていた。

いつも色違いの瞳の奥で息を潜めている彼の臆病さが、今は全身を通じて私に伝わってくる。

怖いのは、私だけではなかったんだ。
もしなんらかの拍子に私の気持ちを知ってしまっても、離れないで欲しい、嫌わないで欲しい。

そう心の底から懇願していた気持ちも、全部。


「小芭内、私も聞いて欲しいことかあるの」


溢れ出るように口にした。


「私も小芭内が好き」


ずっと言いたかった。
怖くて言えなかった。

すっと彼の肩から力が抜けていくのを確認して、もう一度。


「好きだよ」


紛うことなく正直な気持ちをわかって欲しいから。

それなのに、私の期待をよそに、次に彼の口から出たの言葉は思いもよらないものだった。


「それは、勘違いではないのか」

「かん、ちがい?」


ふわりと拘束が解かれ、私の上半身は惜しくも自由になった。

目の前にあるそれは、予想もしなかった疑いの目。



「俺に、抱かれたからそう勘違いしているだけではないのか」

「……は」

「俺は、そういう才があるらしいんだ。全くもって要らないが、男女の交渉における才が。」



何を言っているのかわからなくて、私は小芭内の言葉を噛み砕くのにかなりの時間を要した。



「俺は今まで何人もそういう錯覚に落としいれてしまったから。でも、Aだけは、そんな風になって欲しくなかった。あの日手を出してしまったことは一生の不覚だ」

「ねぇ何言ってるの」

「もう一度、自分の心に問いかけてみたほうがいい。こんな、焼き海苔の妖怪のような屑で本当にいいのかと」



悲しい。小芭内の私に対する疑いの目が悲しい。

けれども、次に湧き上がってきたのは怒りだった。何に対する怒りなのかを整理する前に、私はめちゃくちゃに叫んだ。



「いやだ!!小芭内のばか!なんでそんなこと言うの!?」

「っ、A?」

「自分から私の事好きだって言っておいてさぁ!いっつもいっつも、なんで小芭内は自分のこと変な例え方で卑下するのよ!!」




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和加 - 声出して笑ってしまうんですが。面白すぎです笑 (2021年2月3日 6時) (レス) id: 263e001d98 (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2020年12月25日 15時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
モブちゃん - キャァァァァァァ!キュンキュンするわ!伊黒さん、お幸せに! (2020年12月25日 7時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みゆきだいふく(プロフ) - 深紅さん» すみません爆笑しましたwwwwwww (2020年12月23日 21時) (レス) id: a48323ed49 (このIDを非表示/違反報告)
深紅(プロフ) - 私の中でLove so sweetが流れた (2020年12月23日 20時) (レス) id: 1de38023e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゆきだいふく | 作成日時:2020年12月2日 1時

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